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住宅ローンの審査はなぜ行われるのか?
住宅ローンの審査がなんのために行われているのか?というと
貸し倒れ率を下げる
ために行われているのです。貸し倒れというのは、住宅ローン利用者が返済不能状態になり、貸したお金が返ってこない状態のことを言います。
実際には銀行自身の問題ではなく、保証会社を入れている場合は、保証会社が審査を行うので保証会社として、貸し倒れリスクを下げるために審査をしているのです。
貸し倒れが起きてしまえば、融資したお金が返ってこないことになります。これは損失なのです。損失を減らす必要があるため、審査で返済能力を見極める必要があるのです。
審査をする側も
- 審査を厳しくすれば → 貸し倒れ率(損失)は下がるが、貸せる人が減ってしまう(売上減)
- 審査を甘くすれば → 貸せる人は増える(売上増)が、貸し倒れ率(損失)は高まる
という図式になり、審査に多くの人を通しながら、貸し倒れ率が下がる審査基準というものを追求しているのです。だからこそ、審査基準というのは、重要な銀行の(保証会社の)ノウハウという位置づけにあるのです。重要なノウハウであるからこそ、銀行同士で審査基準を情報交換・共有するなんてことはなく、銀行によって審査基準は違ってくるのです。
審査の甘い住宅ローンの見極め方
その1.金利が高ければ審査は通りやすい
住宅ローンで得られる利益が多いのであれば、許容できる貸し倒れ率は自然と広がります。
ざっくばらんに言えば、「多くの利益が確保できるのであれば、多少の貸し倒れによる損失が出てもカバーできるよ。」ということです。
住宅ローンの場合
ネット銀行が断トツに低金利になっていて
金利の低金利順では
- ネット銀行
- メガバンク(大手都市銀行)
- 地方銀行
- ノンバンク
というような順番になっています。
金利が高いノンバンク系の住宅ローンの方が貸し倒れ率の許容範囲が広く審査が甘くなっていくのです。
その2.知名度が低ければ審査は通りやすい
ネット銀行は低金利で非常に魅力的ですが、その分、多くの方が住宅ローンの申し込みをします。
同様にメガバンクも、知名度が抜群なので申込む方も多いのです。
一方、たとえば信用金庫などのノンバンク系は、ネット銀行やメガバンクで住宅ローン審査が落ちた人が3番手、4番手の選択肢として選ぶケースが多いのです。
そのため、はじめから審査がギリギリの方が多いということなのです。審査が通りにくい方の中で審査するのですから、ネット銀行やメガバンクと比較すると審査は通りやすいことになるのです。
その3.新しい銀行ほど審査は通りやすい
住宅ローンの審査というのは、過去のデータから構築されていくものです。
- このような職種の人は貸し倒れ率が低いとか?
- このような勤続年数の人は貸し倒れ率が高いとか?
膨大な属性データを分析したうえで、精度の高い審査基準が構築されていくのです。
新しくできた銀行というのは、この過去データがない状態なのです。
銀行立ち上げ時には他の銀行からノウハウがある方をヘッドハンティングしたりして、体裁を整わせるのですが、データが不足している以上はじめは手探りで融資をしていくしかないのも現状なのです。
また、銀行の規模にもよりますが、上場しているケースも含めれば、新規事業として住宅ローンをはじめたのであれば、それなりのスタートダッシュの成果を報告しなければなりません。
そのため、ある程度はじめは目をつぶって融資をするケースが多いのです。
その4.キャンペーンに積極的な銀行ほど融資は通りやすい
「金利優遇キャンペーン」というものを時期によって銀行は積極的に展開します。
銀行は、お金を調達して、高い金利でお金を貸すことで利ザヤで儲けるのが仕事です。
そのため、融資先が少なくお金をだぶつかせてしまう状態になってしまっては元も子もないのです。
しかし、お金を調達して、無駄なく融資先を企業融資やカードローン、住宅ローンとバランスよく調整していくのは至難の業と言っていいでしょう。
そのため
- 今月はお金がだぶつき気味なので住宅ローンの融資を増やしたい
- 今月はカードローンの申し込みが多いので低金利の住宅ローンは抑えめで大丈夫
といったような毎月の住宅ローン申込みのコントロールをする必要があるのです。
住宅ローン申込者を増やしたいときに行われるのが「金利優遇キャンペーン」です。そのため、「金利優遇キャンペーン」をやっている銀行の住宅ローンというのは、顧客獲得に積極的であることを意味しており、審査も通りやすい可能性が高いのです。
その5.フラット35は審査が通りやすい
これは前述したものとは種類が違いますが
フラット35は独立行政法人が提供している住宅ローンであり、いわば、国の住宅ローンです。
以前よりは厳しくなったとはいうものの
フラット35を販売代行している銀行にとってはフラット35は貸し倒れしても、しなくても、経営ダメージはないのです。
公務員的な発想ですが、融資する住宅がフラット35の要件に合致していれば、審査通過ということも少なくないのです。
そのため、他の銀行の住宅ローン審査にことごとく落ちたという人でも、フラット35は審査に通ったというケースが少なくないのです。
銀行側も自社の住宅ローン審査に合わない人には、フラット35を勧めてしまうぐらいです。
実際にフラット35は貸し倒れ率が高く、そのこと自体が問題にもなっている状態なのですが、現状では審査が通りやすい住宅ローンの代表格がフラット35と言えます。フラット35はほとんどの銀行で取り扱っているため、どこでも申込むことができます。
まとめ
住宅ローンの審査というのは、銀行や保証会社によって、審査基準が異なるため、1社で落ちたからと言って住宅購入をあきらめるものではありません。
少しでも低金利の住宅ローンを狙うのは全然間違えではありませんが、低金利の住宅ローン審査に通らない場合には、徐々の優先度を下げていって、審査に通ることを優先的に考える必要があります。
審査の甘い住宅ローンの見極め方を参考にしましょう。