目次
住宅ローン審査の大まかな流れ
- 仮審査(事前審査):1週間~2週間前後
- 本審査:2週間~3週間前後
- 契約
- 融資
住宅ローンの「仮審査(事前審査)」と「本審査」は審査主体が違う!
「仮審査(事前審査)」 → 銀行・金融機関が審査
「本審査」 → 保証会社が審査
というのが一般的な審査の分類なのです。もちろん、これがすべてではなく、保証会社を利用しない銀行などでは「仮審査(事前審査)」と「本審査」という区別自体がなく、1回の審査で完了するところもあります。
まずは「仮審査(事前審査)」と「本審査」を理解する前に保証会社について説明します。
保証会社とは
都市銀行や地方銀行の住宅ローンを利用する場合には金利に+0.2%の保証料というものが発生します。「保証料って何の費用?」と思った方も多いのではないでしょうか。これが保証会社に支払われている費用なのです。
保証会社は「保証するのが仕事」なので、住宅ローンを利用して銀行からお金を借りた方が返済不能になった場合に、住宅ローン利用者の代わりにローンの残りを銀行に返済する役割を持つのです。貸し倒れのリスクを負っているのは保証会社ということになります。
保証会社は貸し倒れリスクを負う代わりに保証料を銀行から受け取っているのです。と言っても、保証料を支払っているのは住宅ローン利用者なのですが・・・
そのため、普通に考えれば、「本番の審査『本審査』こそ銀行がやるんじゃないの?」と思ってしまいますが、貸し倒れリスクを負っているのは保証会社なので、保証会社が「本審査」を行うのです。
「仮審査(事前審査)」も「本審査」も審査の内容はそれほど変わらない!
実は「仮審査(事前審査)」も「本審査」も審査の内容は、それほど変わりません。
住宅ローンの審査基準で解説した通りで
- 完済時年齢(借入時年齢)
- 返済負担率
- 融資率(自己資金の割合)
- 個人信用情報による他社借入や他社借入の返済状況
- 過去の返済事故の有無
- 担保価値
- 勤続年数・年収
などを審査することになります。
この審査を「銀行・金融機関」が行うのか?「保証会社」が行うのか?という違いなのです。
審査主体が違えば、審査基準も微妙に違うのですが、それほど大きな違いがない為に「仮審査が通れば本審査は通る」と言われるのです。
保証会社の「本審査」の方が「仮審査(事前審査)」よりも厳しくなる
審査期間が本審査の方が長いことからもわかる通りで、本審査の方が審査の精度が高くなるのは間違えありません。
理由としては
- 物件の担保価値の評価を厳密に行う
- 保証会社が貸し倒れリスクを負っているため、自然と全体的に厳しくなる
- 団信の審査(健康状態の審査)も行う
- 売買契約完了後に所定書類を金融機関に提出して正式な稟議をかける
というものが挙げられます。「保証会社が貸し倒れリスクを負っているため、自然と全体的に厳しくなる」というのが一番大きい理由なのです。
銀行は、貸し倒れが起きても保証会社が返済してくれるので、それほど大きな問題はないのです。そのため、同じ項目を審査しても、できるだけ保証会社に回した方が融資実行件数が引き上がるので、「仮審査(事前審査)」の方が審査が甘くなってしまうのです。
一方、保証会社にしてみれば、ここで食い止めて貸し倒れを防がないと貸し倒れによって発生した損失はすべて自社が背負うことになってしまうのです。
また、物件の担保評価や団信の審査など仮審査通過後に正式な申込書類を出して、本審査の時点で行われる審査もあるのです。
ここで引っかかってしまうと「仮審査に通ったのに本審査に落ちた。」という状況が発生してしまうのです。
ちなみに「本審査」と「仮審査(事前審査)」では、審査する時期に2週間ほどのズレがあるため、個人信用情報などの情報が更新されていて、審査結果が悪化しているというケースもあるのです。
仮審査に通って安心して、クレジットカードをいくつか申込んだ、カードローンでお金を借りた、ことが理由で本審査に落ちてしまうこともあるのです。
まとめ
- 「仮審査(事前審査)」と「本審査」は審査主体が違う
- 「仮審査(事前審査)」も「本審査」も審査の内容はそれほど変わらない
- 保証会社の「本審査」の方が「仮審査(事前審査)」よりも厳しくなる
ということを認識しておきましょう。
どの段階で審査に通らないのか?によっても、審査対策というのは違うのです。