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普通の方は住宅ローンを決める前に、購入する住まいを決めることになります。
分譲マンションであれ、建売住宅であれ、注文住宅であれ、住まいを決めるためには住宅を販売している不動産会社と物件の売買契約をすることになります。
このときに大抵は不動産会社の営業マンから
「弊社で付き合いのある住宅ローンは優遇金利なのでお得ですよ。」
「弊社だけが扱える金利の住宅ローンがあります。」
「付き合いのある銀行に通しておきましょうか?」
と、あたかも不動産会社経由で住宅ローンで決めると条件が良いような言い方でセールスをしてきます。
しかし、ちょっと待ってください。
不動産会社経由の住宅ローンが決して条件が良いわけではありません。その理由を解説します。
理由その1.不動産会社は金利が高い審査に通りやすい銀行を紹介する
不動産の売買契約というものは、住宅ローン特約というものがついていて、住宅ローン審査に通らないと売買が違約金なしで不成立になる契約になっています。
つまり、不動産会社の営業マンにとっては、住宅ローン審査に通ってもらわないと契約が成立せずに、また別のお客さんを探して書類のやりとりなどをしなければならないため
- 売上も伸びないし
- 手間も増えるし
住宅ローン審査に通ってもらわないといいことがないのです。
一概には言えませんが、住宅ローン審査は金利と反比例します。
- 金利が高ければ銀行の利益が大きい為、審査は通りやすく
- 金利が低ければ銀行の利益が少ない為、審査は厳しく
なるのです。
つまり、不動産会社の営業マンがすすめてくる住宅ローンというのは「審査に通りやすい金利の高い住宅ローン」をすすめられている可能性があるということなのです。
理由その2.不動産会社はネット銀行とのつがなりを持っていない
不動産会社の営業マンが提案してくる住宅ローンの中に
- ソニー銀行
- SBI新生銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- イオン銀行
- ・・・
などのネット銀行の名前があるでしょうか?
そうです。ないんです。
たしかにみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行というメガバンクや地方銀行、信託銀行の住宅ローンの提案は入っているかと思いますが
肝心な低金利のネット銀行の住宅ローンが提案してくる比較表には入っていないのです。
なぜなら、ネット銀行は不動産会社の営業マンに紹介を斡旋してもらう活動をしていないからです。ネット銀行はインターネットからの顧客獲得を重視しているため、不動産会社の営業マンに紹介を頼むような人員もいなければ、コストもかけたくないのです。
結果として、一番知りたい低金利の住宅ローンの提案が不動産会社の営業マンの提案から漏れてしまっているのです。これでは意味がありません。
理由その3.不動産会社の営業は住宅ローンについて知識が少ない
不動産会社の営業マンの仕事は住宅を売ることです。
住宅を売るために住宅ローンの知識も最低限のものはあるのですが、あくまで最低限の情報です。
実際に「フラット35のフラット35sの方が御社の提案よりも金利が低金利じゃないでしょうか?」と聞いたところ
「弊社では提案していないので、わからないんですよ。」
という回答。
これは営業マンが悪いわけではなく、不動産会社の上司から「販売するときはこういうセールストークでこの住宅ローンをすすめろ」と指示があって動いているからであって、予想外の質問に答えられないのです。
住宅のことは知っていても、住宅ローンのことに詳しくない営業マンが提案してくる住宅ローンが良い可能性は非常に低いのです。
不動産会社の営業マンから住宅ローンを提案された場合には
「検討しますが、ネット銀行も含めて自分でも候補の住宅ローンを探します。」
と回答すると良いでしょう。
稀に本当に優遇金利で条件の良い地銀などの住宅ローンが提案されることもあるので、拒否する必要はありません。
あくまでも、選択肢の一つとして不動産会社の営業マンの提案も持っておけば良いのです。それに加えて自分で調べたネット銀行やメガバンクの住宅ローンと合わせて比較検討し、優先順位の高いものから申し込めば良いのです。
まとめ
住宅を購入する決断をしているということは、その時点である程度その担当者の方との信頼関係は出来上がっていると思いますが、不動産会社の営業マンはあくまでも不動産のプロであって、住宅ローンのプロではないのです。
楽だからといって、そのまま住宅ローンを決めてしまうと結果として数百万円も損をしてしまうケースもあるのです。
選択肢として残しておきながら、自分でも住宅ローンについて調べることが重要です。
本当に低金利の住宅ローンを知りたければ自分で比較検討するしかないのです。