住宅ローンの借り換えは何度でもできる
住宅ローンの借り換えとは
借り換え先の銀行Bからお金を借りて、現在借入中の銀行Aに完済することで、債務を銀行Aから銀行Bに移すこと
を意味します。
住宅ローンの借り換えは借入中の銀行の承諾は必要ないものなのです。理論上は、借り換え先の銀行さえあれば何度借り換えをしても問題はありません。
極端な話をすれば
住宅ローンの借り換えは1回でも、2回でも、100回でも、借り換えできるのです。
実際問題は、借り換えをするということは「借り換えメリット」がプラスにならなければ意味がありません。
総返済額(利息)の軽減額 - 借り換えで発生する諸費用 - 借り換えの手間 = 借り換えメリット
そのため、多い方でも2回、3回が限界となってしまうのですが、借り換えをすること自体には回数制限がないことを理解しましょう。
仮に「1回しか借り換えができない」のであれば、「ベストなタイミングを狙って借り換えをすべき」なのですが、そうではないのです。
ベストな時期やタイミングは誰にもわからない!
「借り換えをするために絶好の機会をうかがっている」という方はいつまでたっても借り換えを実行しないケースが多いようです。
それもそのはずで、経済の専門家でさえ、住宅ローン金利が今後どうなるのか?予測することは不可能です。
住宅ローン金利の推移が予測できるのであれば、国債金利や政策金利、円相場の未来がわかることと同じことを意味するので、経済の専門家やアナリストは仕事を辞めて、FXでもすれば億万長者に簡単になることができます。そんなことは不可能なのです。
一般の人が住宅ローン金利の今後の推移をさらに難しいと言っていいでしょう。
「借り換えをするために絶好の機会をうかがっている」うちに時間は過ぎて行って、いつの間にか金利が上昇して、借り換えのタイミングを逃してしますのです。
住宅ローン借り換えの時期とタイミングは?
借り換えメリットの金額で判断すべき!
です。
借り換えメリットは下記の計算式で算出することが可能です。
総返済額(利息)の軽減額 - 借り換えで発生する諸費用 - 借り換えの手間 = 借り換えメリット
これは筆者独自の見解ですが
借り換えメリットが月収以上になったら借り換えをするベターなタイミング
と考えています。
- 額面で月収30万円(年収360万円)の方が住宅ローンの借り換えをするのであれば、30万円以上の借り換えメリットがあるのであれば、借り換えを実行しても良い。
- 額面で月収50万円(年収600万円)の方が住宅ローンの借り換えをするのであれば、50万円以上の借り換えメリットがあるのであれば、借り換えを実行しても良い。
と思います。
借り換えは何度でもできるのですが、借り換えの度に事務手数料などの諸費用が発生します。諸費用を引いて借り換えメリットを計算するので借り換えメリットが1万円でも極論で言えば借り換えする意味があるのですが、一回借り換えをしてしまうと、次の借り換えをするときに借り換えメリットがでるにはさらに金利低下している必要性が出てきます。もったいないのです。
一方で、絶好のタイミングをうかがっていると、そもそも借り換えをするタイミングを逃してしまう可能性もあります。
簡単に言えば
- 借り換えメリットが1万円で借り換えをすると、次の借り換えをするのには大幅な金利低下が必要になり、もったいない
- 借り換えメリットが100万円を超えるのをじっくり待っていたら、100万円に届かずに金利が上昇してしまい借り換えメリットが下がり、結局借り換えできない
と借り換えタイミングの目安というのは、難しい判断になるのです。
具体的な根拠が全くあるわけではないので、これが絶対というわけではありませんが、FP(ファイナンシャルプランナー)としてお客様のご相談を受けている経験値から算出すると
借り換えメリットが月収以上になったら借り換えをするベターなタイミング
と考えております。
1か月分の額面の給料分がプラスになるのであれば、借り換えは実行しても良いのではないか?と考えているのです。「ベスト」ではなく「ベター」と表現しています。前述した通りで、「ベスト」なタイミングというのは予測することができません。「月収以上になったから借り換えをしたけれども、もっと金利が下がったから、待ってれば良かった。」と結果論では怒られる可能性もありますが、「ベスト」なタイミングは予測できないのです。個々人の価値観によって違いはありますが、目安としては額面の月収以上プラスになるのであれば実行しても良いのではないでしょうか。
借り換えメリットは借り換えシミュレーションで計算することができます。
金利差は借り換えタイミングの目安にはならない
金利差が○%以上になったら借り換えというのは、間違っているわけではありませんが
借り換えメリットというのは
- 金利差
- 借り換え前と借り換え後の金利タイプ
- 残りの借入期間
- 諸費用(事務手数料・保証料など)
4つの要素で計算されるものです。
「金利差が○%以上」というのは一つの指標にしかすぎないため、「金利差が○%以上」だけで借り換えタイミングを推し量るのはうまい方法とは言えません。
あくまでも「借り換えメリット」で判断することをおすすめします。
まとめ
住宅ローン借り換えは
- 何回でもできる
- 絶好のタイミングを見極めるのはプロにも難しい
ので
- 借り換えメリットが月収以上になったら借り換えをするベターなタイミング
と考えて、定期的に借り換えメリットをシミュレーションツールでチェックしておくことをおすすめします。