そもそも、保証人とは?
保証人とは
借金をした人がお金を返さなかった場合、返せない状況になった場合に、代わりに債権者に返済する責任を負う人のこと
を言います。
親から「保証人だけにはなってはいけない。」と言われたことがある方もいるかも知れませんが、実際にお金を借りていないのに、お金を返済しなければいけないという重い責任がある人だからです。考えようによっては、実際にお金を手に入れていないのですから、お金を借りた方よりもリスクがあるのです。
「保証人だけにはなってはいけない。」と言われるのも当然なのです。そんな状況ですから、「保証人を用意してください。」と言われても、「保証人を用意する」というのは簡単なことではないのです。
ちみなに住宅ローンの場合は「保証人」ではなく、「連帯保証人」を要求されます。
「保証人」の場合は、住宅ローンを借りた人が返済できなくて自分に請求が来たとしても
- 先に借金をした○○さんから取り立ててください。(催告の抗弁権)
- 先に借金をした○○さんの財産を処分して返済に充ててから取り立ててください。(検索の抗弁権)
と主張する権利がありますが
「連帯保証人」にはこの権利がありません。請求されたら無条件で返済しなければならない重い責任が「連帯保証人」にはあるのです。
住宅ローンでは保証人は必要なの?
答え.不要なところが多いが、必要とする銀行・金融機関・契約状況もある
です。
前述した通りで、昔は保証人が必須だった銀行がほとんどだったのですが、人間関係が希薄になっている現代で「保証人が必ず必要」としてしまったら、住宅ローンを利用する方は減ってしまいます。
そのため、銀行は「保証人不要」の代わりに「保証会社」をつけて、保証料を住宅ローンの利用者から取る形に変えたのです。
保証会社 = 保証人の代わりに債務者が返済ができなくなったら返済する(代位弁済する)保証業務を行う会社
最近では、賃貸物件を借りるときも、保証会社を利用するケースが増えているので、馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
メガバンクや地方銀行は、保証人を不要にして、金利+0.2%の保証料で保証会社をつける形を採用しています。
一方、ネット銀行はさらに進んで「保証人不要」+「保証料無料」というサービス設計をしています。その代わりにメガバンクや地方銀行と比較すると割高な事務手数料を取っているのです。
では、保証人不要が一般的な住宅ローンで、住宅ローンで保証人が必要になるケースとはどんなケースなのでしょうか?
住宅ローンで保証人が必要になるケースとは?
ケース1.収入合算をするケース
夫婦でペアローンの収入合算をする
→ お互いに連帯保証人になる必要がある
夫婦で収入合算をする
→ 夫が借りる場合に妻が連帯保証人になる必要がある
親子リレーローンの収入合算をする
→ お互いに連帯保証人になる必要がある
収入合算というのは、共働きの夫婦で夫(妻)だけの年収では希望する物件の購入額に届かないので、働いている妻の年収も合わせて高額な借り入れをする住宅ローンの借り方です。銀行にとっては審査の評価以上に融資をするのですから、貸し倒れリスクが増えるため、合算する年収分のリスクを回避する必要があります。そのため、収入合算をする場合は連帯保証人を必要とするのです。
ケース2.物件所有者が複数いるケース
土地や建物が共有名義
→ 共有名義で所有している方が連帯保証人になる必要がある
親名義の土地に住宅を建てる場合
→ 担保提供者が連帯保証人になる必要がある
名義が違ったり、担保提供者が異なる場合は、その人に連帯保証人になってもらうケースがほとんどです。不動産自体は担保として抵当権設定されるのですが、その所有者も連帯保証人として返済義務を負う形で、担保処分時に「物件共有者全員が同意する」状況を作る必要があるからです。
ケース3.審査自体の評価が不足していてこのままだと審査落ちになるケース
自営業者の場合
→ 連帯保証人が必要になるケースもある
借入額に対して年収が少ない、勤続年数が短いなど、審査の内容がよくない場合
→ 連帯保証人が必要になるケースもある
保証会社の審査が通らない場合
→ 連帯保証人が必要になる
住宅ローンの審査で、評価が不足している場合には、連帯保証人をつけることによって銀行側の貸し倒れリスクを軽減して、審査を通すことがあります。シビアに審査されてしまう自営業者や勤続年数が短い方などが銀行から連帯保証人を要求される可能性が出てくるのです。
まとめ
住宅ローンを借りる際には基本的に「保証人は不要」です。
しかし、
- 収入合算
- 共有名義の物件
- 審査の評価が足らない
というケースでは連帯保証人を求められるケースがあります。いきなり「連帯保証人を用意してほしい。」と銀行に言われて慌てないように「自分の場合は連帯保証人が必要なのか?どうか?」銀行に確認しておくことをおすすめします。