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一番早い銀行であれば
仮審査:当日回答、本審査:3営業日
ですし、遅い銀行であれば
仮審査:2週間、本審査:1ヶ月
です。かなりの違いがあります。
では、住宅ローン審査に時間がかかって審査期間が延びてしまうとどのようなデメリットやリスクがあるのでしょうか?
詳しくは下記を参考にしてください。
デメリットその1「金利がずれてしまう。」
住宅ローンの金利というのは、借り入れを申込んだときの金利が適用されるわけではありません。
住宅ローンの金利は、融資実行時の金利が適用されるのです。
審査に1か月半かかってしまうのであれば、最悪2ヶ月後の住宅ローン金利が適用されてしまうのです。
「金利が安い。今だ」と思って申込んだのに・・・実際は2か月後の高くなった金利が適用されてしまう、こういうことも往々にして起こっているのです。
例えば、フラット35などの全期間固定金利の場合、金利差が0.1%だとして、どのくらい総返済額に差があると思うでしょうか?
金利1.5%、3000万円、35年の総返済額
38,579,007円
金利1.6%、3000万円、35年の総返済額
39,199,246円
たった0.1%金利が変動しただけで、総返済額には約62万円もの差がでてくるのです。
適用される金利というのは、それだけシビアに見極める必要があるのです。
デメリットその2「購入予定物件が流れてしまう」
新築物件でも、中古物件でも、住宅というのは基本的に一点ものの商品です。同じ間取りのマンションはあるかもしれませんが、階数や配置がまったく同じということはありえません。
1つの物件に複数の申込者がいた場合には、売主(元付け業者)の意向に沿って、優先順位が決められてしまうのです。
一番多いのは申し込み順(買付をした順)で優先順位が決定されるケースなのですが
- 「契約優先」:手付金を支払った方を優先にする
- 「ローン優先」:ローンがおりた方を優先にする
- 「ローンなし優先」:現金で支払える方を優先する
- 「決済優先」:支払いを優先する
- 「指値なし」:値引き交渉のない方を優先する
など、何を優先するかというのは売主の判断次第で決まってくるものなのです。
これは法律で決められているものではなく、ブラックボックスで決まるものなので、実際には総合的に判断するケースも多く、買付優先で一番手の申し込みをしていたとしても、住宅ローンの結果がずるずる先延ばしになっている段階で、現金で満額購入の方が見つかってしまえば、売主の意向でそちらが優先されてしまうケースすらあるのです。
つまり、「住宅ローン審査が遅れたせいで購入予定の物件が買えなかった。」ということも起こりうるということなのです。
デメリットその3「融資実行日に間に合わない」
住宅ローンの仮審査が通って、本審査が通れば、融資が行われて、その金額が不動産会社に入金され、物件の引き渡しという流れになります。
しかし、当初設定していたローンの実行日に審査が降りないというケースもあります。
基本的には「ローン特約」というものがあるため、住宅ローン審査に通らなかったからと言って、手付金が返ってこないということはないのですが、「ローン特約」にも期日が設定されています。住宅ローン審査が間に合わなければ「ローン特約」の延長を売主に依頼しなければなりません。ローン特約の延長を売主が呑んでくれない場合には、その物件の売買契約を他の方とされても、文句は言えないということになってしまいます。
どうしても、その物件が欲しい場合には、ローン特約の延長ではなく、手付金扱いにして決済日まで3カ月程延長するという方法もあるのですが、この場合は融資がおりなければ手付金は没収されてしまうことになります。
つなぎ融資(つなぎローン)で審査が降りるまで待つという方法もありますが、つなぎ融資の金利は高く、確実に審査がおりかどうかもわからない状況ではおすすめできません。
住宅ローン審査が遅れて、融資実行日に間に合わないと「交渉の手間」「物件が流れてしまう可能性」「ローン特約の期限切れ」「手付金の没収」・・・など様々な事態を引き起こしてしまうのです。
デメリットその4「税金の優遇制度が適用できない!?」
住宅購入に関しては、住宅ローン減税や非課税制度など時期によって異なりますが、様々な支援制度が政府によってつくられます。
例えば、親からの贈与で贈与税が非課税になる制度の場合
住宅取得等資金の贈与税非課税枠
住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間と非課税枠
- 平成27年12月まで:1500万円
- 平成28年1月~平成29年9月:1200万円
- 平成29年10月~平成30年9月:1000万円
- 平成30年10月~平成31年6月:800万円
と取得に関する契約締結のタイミングによって、非課税枠が変わってしまうのです。
売買契約は住宅ローン審査がおりる前に行うため、審査期間というのは影響がないように思われますが、仮に審査が落ちてしまった場合、審査期間が短くて審査が落ちる場合と審査期間が長くて審査に落ちる場合では、次の銀行探し、次の物件探し、にかかる時間が変わってきてしまうのです。
審査に時間がかかってしまった上に住宅ローン審査に落ちてしまうことで物件が流れてしまい、そこから再度物件探し、住宅ローン探しをしていたために、元々予定していた非課税枠も利用できず、消費税も上がってしまった・・・なんてことになれば、目も当てられません。
まとめ
住宅ローンの審査期間というのは
- 確実に購入予定の物件を購入したい方
- 申込み時の金利で借り入れをしたい方
- 住宅ローンの審査に不安がある方
- 非課税などの適用を検討していて期限が設定されている場合
には重要な問題なのです。
金利に関しては1ヶ月、2か月後が上がるか?下がるか?は予測できないため、それほど問題ではありませんが、期日通りに審査がおりなければ、購入予定の物件が流れてしまうことが一番大きなリスクなのです。
「その物件でなくても良い」のであれば、審査が降りなくても、気長に次の物件を探せば良いのですが、「どうしてもこの物件が良い」という方は審査期間も重視して住宅ローンを比較するべきなのです。