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フラット50を徹底解説。フラット50の金利と利用条件とフラット35との違い

フラット50というのは50年という長期の返済が適用される住宅ローン商品です。フラット50について解説します。

フラット50とは

長期優良住宅の認定を受けた住宅について最長50年間の返済が可能な住宅ローン商品のこと

を言います。

一般的に住宅ローンというのは、長くても35年の返済を想定しています。30歳で借りて、定年の65歳で返済するとしても、35年ですから、それ以上の期間の融資というのは金融機関にとって貸し倒れになるリスクが大きく、商品化ができないのです。

しかし、フラット50も、住宅金融支援機構という独立行政法人が提供している住宅ローンですから、国の住宅ローンとも言えます。貸し倒れリスクよりも、民間銀行が商品化できなくても、需要がある住宅ローン商品の提供を重視する側面があるのです。

利用者にとっては「50年の長期返済、かつ全期間固定金利」であれば毎月の返済額が低額に抑えられるため、低所得の方でも返済が苦しくならないのです。

フラット50の利用条件

フラット50のフラット35とは異なる主な利用条件について解説します。

申込年齢

44歳でも完済時年齢は94歳ですので、なかなかリスクの高い住宅ローン商品ということになります。親子リレー返済というのは、親が死亡した場合に返済を子供に継続される形の住宅ローンのことです。

借入額

60%以内というのは、自己資金で40%を支払わなければならないということです。本来は低所得の方のためのフラット50のはずですが、貸し倒れリスクが高い為、矛盾した利用条件設定になっています。

借入期間

  1. 「80歳」-「お申込時の年齢」
  2. 50年

30歳で借りれば最長50年の借入ができますが、44歳で借りても36年までの返済期間しか設定できないということです。これは完済時年齢の上限が80歳であることを示しています。

資金使途

対象住宅

長期優良住宅とは

長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下のような措置が講じられている住宅を指します。

フラット50では「長期優良住宅認定通知書等の提出」が必要となるため、長期優良住宅なのかどうか?は物件購入前に不動産会社に確認する必要があります。

フラット50の金利。フラット35との比較

2016年8月時点の金利

フラット35(返済期間:21年以上35年以下)

フラット50(返済期間:36年以上50年以下)

とフラット50はフラット35と比較して、かなり高い金利が設定されています。+0.54%~1.05%ですから返済額もかなり増えてしまうのです。これは50年の住宅ローンというのが金融機関にとってかなりリスクが高いということを示しています。

フラット50のメリット

住宅を売却する際にローンを購入者へ引き継ぐことが可能

住宅を売却するときにフラット50のローンを購入者へ引き継ぐことが可能です。これは「債権承継型ローン(アシューマブルローン)」と呼ばれています。

金利が上昇しても、低金利のローンが引き継げるということは、金利上昇局面での住宅購入者には大きなメリットになり、買い手がつきやすくなるのです。

フラット50の利用前の注意点

扱っている金融機関は少ない

フラット35取扱金融機関は300を超えていますが、フラット50の取扱金融機関は約100ぐらいの金融機関にとどまります。ネット銀行などでの取り扱いは少なく、地方銀行や地方の信用金庫が中心となっています。フラット50の取扱金融機関については事前にフラット35のウェブサイトで確認しておくことをおすすめします。

住宅金融支援機構はフラット50を売りたくない!?

ということから推察すれば・・・・

「住宅金融支援機構はフラット50を売りたくない」

というのが本音だということがわかります。

マイナス金利が導入され、超低金利の時代に50年の全期間固定金利というのは過大な貸し倒れリスクを抱えてしまうと考えているのです。フラット35は独立行政法人の住宅ローンですが、資金を提供しているのは投資家です。債権として投資家が購入するのですが、フラット50の貸し倒れリスクがあると、投資家に還元できないということを懸念しているのだと考えられます。

まとめ

実際問題、低所得者で自己資金を40%用意するのはほとんど実現不可能ですし、金利もフラット35から大幅に引き上がってしまい、フラット50のメリットというのはほぼないと考えて良いでしょう。

フラット50を検討するのであれば、フラット35で返済する方法を考える方が建設的だと思われます。自己資金を1割貯めてから、フラット35を利用するのが一番総返済額が軽減できる方法です。