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「住宅ローン審査に落ちてしまった」
どうしよう?と悩んでいる方も多いかと思います。ここでは、住宅ローン審査が通らない、審査に落ちた場合の対策について解説します。
対策その1.「他の住宅ローンに申込む」
住宅ローンというのは銀行によって審査基準が異なるのです。貸し倒れ時に残債分を立て替える契約を銀行とする保証会社が同じ場合に審査は同じ保証会社が行っているというケースもあるのですが、基本的には銀行独自で審査基準を設けていることの方が多いのです。
そのため、極端な例を言えば
A銀行 → 審査落ち
B銀行 → 審査落ち
C銀行 → 審査落ち
D銀行 → 審査落ち
E銀行 → 審査通過
審査の評価がぎりぎりの方でも、5社目に住宅ローン審査が通ったということも普通にありうるのです。
対策その2.「金利の高い住宅ローンに申込む」
低金利の住宅ローンの場合は、それだけ銀行側の利益が削られているため、貸し倒れリスク(貸し倒れ率)を最小限に抑える必要があり、審査も厳しくなるのです。
低金利の住宅ローンの順番
- ネット銀行
- 大手都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行(第一地銀)
- 第二地銀
- ノンバンク
という順番で住宅ローン金利は低金利になっているのですが、これは言い換えれば
住宅ローン審査の厳しい順番
- ネット銀行
- 大手都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行(第一地銀)
- 第二地銀
- 信用金庫
- ノンバンク
でもあるのです。
少しでも低金利の住宅ローンを利用したいと思うのは当然ですが、はじめはネット銀行の低金利の住宅ローンに申込んでみて、審査が通らないようであれば、徐々に「金利の高い=審査が通りやすい」住宅ローンにランクを落としていく方法もあるのです。
いきなり金利が高い住宅ローンから検討するのはもったいないので、はじめは低金利のネット銀行から、審査に落ちて初めて徐々に基準を下げていくと良いでしょう。
対策その3「返済負担率を25%まで引き下げる」
返済負担率というのは、収入に対してのローン返済額の割合のことを言います。
返済負担率 = 年間ローン返済額 / 年収
となります。年収400万円の方が、毎月8万3000円のローン返済であれば、年間約100万円の返済になるため、返済負担率は25%ということになります。
返済負担率は全国平均で20%~25%です。これが25%を超えていても、35%ぐらいまでは許容してくれる銀行が多いのですが、審査の評価は高くなればなるほど厳しくなってしまうのです。
申込みしている状態の返済負担率を計算して、25%を超えてしまっている場合は25%以内に抑えるように見直しをする必要があります。
返済負担率を下げるためには・・・
- 物件価格を下げて借入額を引き下げる
- 自己資金(頭金)を増やして借入額を引き下げる
- 返済期間を延ばして、毎月の返済額を引き下げる
- 金利タイプを変動金利にして、毎月の返済額を引き下げる
というような方法があります。
対策その4「融資率を90%以下まで引き下げる」
融資率というのは、物件価格に対しての借入額の割合のことです。
融資率 = 借入額 / 物件価格
融資率100%というのは、頭金0円で住宅ローンを組むことを意味しています。融資率110%になれば、物件価格よりも多く借りていることを意味していますが、諸費用を合わせて借りるときに100%を超えることになります。
最近では、頭金0円で住宅ローンを組める銀行がほとんどですが、その場合審査は通常よりも厳しくなるのです。
親からの援助などで頭金を工面できる余地があるのであれば、物件価格の1割は自己資金で賄う形をとると住宅ローンの審査評価は高くなります。
対策その5「個人信用情報を確認する」
3社、4社申込んだけれども、すべて事前審査で落ちてしまう・・・
というような場合に多いのが個人信用情報の問題です。
個人信用情報というのは、クレジットカードやローンサービスを利用した過去の履歴が掲載された情報ネットワークで、金融機関同士が情報を共有しているものです。
そのため、住宅ローン審査時には必ず個人信用情報をチェックされ
- 他のローンやクレジットカードの借入件数
- 他のローンやクレジットカードの借入金額
- 直近2年間の返済履歴(期日通りの返済か?滞納しているか?)
- 過去の返済事故の有無(債務整理・自己破産・61日以上の返済遅延)
などの情報を確認されるのです。
債務整理・自己破産・61日以上の返済遅延などの返済事故を起こしている場合には、ほぼ住宅ローン審査は通りません。この場合は個人信用情報の情報掲載期限である5年~10年をまって、個人信用情報から返済事故の情報が抹消したことを確認してから住宅ローンに申込む必要があります。
また、直近2年間の返済履歴は毎月の情報が掲載されているのです。年に数回返済遅延があると住宅ローン審査に通らない状態になってしまうのです。こちらの情報は毎月更新され、過去24か月分しか掲載されないので、問題がある返済遅延を繰り返してしまった月がなくなったタイミングで再度住宅ローンに申込めば良いのです。
個人信用情報は自信で確認することができます。
銀行が使っている個人信用情報期間は全銀協です。
保証会社が使っている個人信用情報はCICです。
どちらも1,000円程度の費用で本人が開示手続きをすることができます。
全銀協
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
対策その6「勤続年数に引っかかっているようなら、最低1年経過を待つ」
勤続年数が半年未満の場合は、それが理由で住宅ローン審査に通らないケースがあります。
基本的には勤続年数が半年あれば、住宅ローン審査には通る基準に達すると言われていますが、審査の評価としては弱い為、勤続年数が理由で審査に通らないようであれば1年経過してから申込むことをおすすめします。
対策その7「年齢条件に引っかかっているようなら、返済期間を短くする」
住宅ローンの場合は
- 完済時年齢
- 契約時年齢
という2つの年齢で住宅ローン審査は足切りされてしまいます。
完済時年齢が85歳なんて方の場合、定年も過ぎていて、死亡してしまうリスクも高まってしまうため、銀行からすれば完済まで返済を継続してくれるか?リスクが大きいことを意味するのです。
この場合は完済時年齢を引き下げるために返済期間を短くする必要があるのです。
70歳で完済できるような返済スケジュールに見直す必要があるのです。
対策その8「フラット35に申込む」
フラット35というのは、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している住宅ローンです。
国の機関が提供している住宅ローンなので、全期間固定金利で低金利という特徴があるのですが、隠れた特徴として「審査が甘い」ことが挙げられるのです。
役所などの対応と同じで
フラット35の場合は「返済できるかどうか?」よりも、「フラット35の住宅基準に合致しているかどうか?」の方が重要なのです。
フラット35には適用基準というものがあり、一戸建、連続建て、重ね建て住宅:70㎡以上、共同住宅(マンションなど):30㎡以上というような住宅の面積から規格まで色々な基準があるのですが、それさえクリアしていれば審査が通る可能性が高いのです。
民間銀行の住宅ローンに申込んで審査が落ちた場合に、その銀行が扱っているフラット35を勧められるケースが多いのも、これが理由となっています。
まとめ
ほとんどの方は前述した対策のどれかを採用することで、住宅ローン審査を通過することができるはずです。
住宅ローン審査では、あきらめずに複数の住宅ローンを検討し続けることが重要です。