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当然、何年も続いている控除制度なので、ニュースで聞いたことはあるかもしれませんが、「言葉は聞いたことがあるけれども、内容が分からない。」という方も少なくないのです。今回は、確定申告すらわからない人向けに解説します。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは
住宅ローンを利用した人だけ税金が安くなる制度のこと
を言います。
「えっ、ラッキーじゃん。」
そうです。ラッキーです。住宅ローン控除(住宅ローン減税)は使わない手はない制度なのです。
ちなみに「住宅ローン控除」でも、「住宅ローン減税」でも、同じことを意味しています。どちらも間違えではありません。別々の制度ではないので注意しましょう。同じものです。
なんで、そんなラッキー制度があるの?
政府の景気対策のひとつだからです。
マイホームというのは、「一生で一番高い買い物」と言われています。
3000万円~4000万円ほどの価格になってしまうので、それもそのはずです。自動車の10倍~20倍の価格が設定されています。
個人レベルでこれだけ高い買い物なのですから、日本全体で考えたときに、多くの人がマイホームを購入するとなると巨大な金額のお金が動きます。
当然、建設業、ハウスメーカー、ゼネコンなどの受注が増え、銀行の貸出実績が増え、マイホームを持つことで子づくりに励み・・・
景気にとっていいことづくめなのです。
だからこそ、政府は不景気の日本の景気を回復させるために「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を導入したのです。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)ってどのくらい税金が安くなるの?
年末の住宅ローン残高の1.0% × 10年
が所得税から控除されることになります。※限度額があるので注意が必要です。
毎月返済をしていけば、当然ですが年末の住宅ローン残高はどんどん減っていきます。
例えば 3000万円 金利1.0% 35年返済の場合
年 | 元金残高 | 控除率 | 控除額 |
---|---|---|---|
1年目 | 29,280,480 | 1.00% | 292,805 |
2年目 | 28,553,734 | 1.00% | 285,537 |
3年目 | 27,819,687 | 1.00% | 278,197 |
4年目 | 27,078,265 | 1.00% | 270,783 |
5年目 | 26,329,393 | 1.00% | 263,294 |
6年目 | 25,573,001 | 1.00% | 255,730 |
7年目 | 24,809,011 | 1.00% | 248,090 |
8年目 | 24,037,345 | 1.00% | 240,373 |
9年目 | 23,257,928 | 1.00% | 232,579 |
10年目 | 22,470,680 | 1.00% | 224,707 |
– | – | 合計 | 2,592,095 |
3000万円借りて、2,592,095円が控除されるので、このケースでは8.64%も安くマイホームが買える計算になるのです。
何百万というお金が戻ってくるのですから、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は使わない手はないのです。
どうすれば住宅ローン控除(住宅ローン減税)ができるの?
確定申告をします。
確定申告って何?
確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)に所得のあった人が所得税額を「申告納税」する制度のことを言います。
でも、私はしたことないけど・・・
会社に勤めている人の場合は「確定申告」はする必要がなく、会社が代わりに「源泉徴収(年末調整)」で税金を給料からあらかじめ天引きしてくれているのです。
国民全員が確定申告をするとなると、役所も大変ですし、支払わない人も増えてしまいます。
そこで会社に勤めている人の場合は、会社が給料を支払う前に天引きする方法「源泉徴収」をしているのです。
そのため、現在確定申告をする必要がある方というのは
- 個人事業主の方
- 会社経営者の方
- 会社とは別の収入(不動産収入や副業の収入)がある方
だけなのです。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)を利用する場合には、会社側の「源泉徴収」では対応しきれないので、確定申告をして「住宅ローン控除(住宅ローン減税)利用しますよ。」という届を一緒に税務署に出す必要があるのです。
通常の所得税は会社が「源泉徴収」で支払っているので、住宅ローン控除(住宅ローン減税)分は還付という形で税務署から振り込まれることになります。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は誰でも利用できるの?
ほとんどの住宅購入者が利用することができますが、適用条件があり、この条件に適用しなければ利用することができません。
かみ砕いて適用条件を挙げると
- 10年以上の住宅ローンを利用すること
- 床面積50平方メートル以上の物件であること
- 新築住宅、中古住宅ともに可
- 中古住宅で築年数20年以上前の場合には、耐震基準に適合していること
- 年収3000万円以下の方
です。ほとんどの方が該当するのではないでしょうか。
詳細はこちらで確認してください。
まとめ
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は
住宅を購入する方が利用できる税金が安くなる制度のこと
です。
住宅ローンの借入額の約8%~9%ほどが支払った所得税から還付されます。
住宅購入者のほとんどの方が利用できる制度ですので、使わない手はありません。