plane128_128住宅ローン控除(住宅ローン減税)は基本的に「自分が住むためのマイホームの購入に住宅ローンを利用した方」が利用できる制度です。そのため、「居住」が大前提となるのです。しかし、海外赴任を会社から命じられてしまった場合には、購入時は自宅利用を予定していても、海外赴任時は自分が住み続けることはできません。これを「住宅ローン控除(住宅ローン減税)の中断」と言います。今回はこの「住宅ローン控除(住宅ローン減税)の中断」について解説します。

海外赴任・転勤時に住宅ローン控除(住宅ローン減税)は利用できなくなる!?

住宅ローン控除(住宅ローン減税)には

「新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」

という適用要件があります。これは

マイホームを購入してから6か月以内に住み始めて、毎年の大晦日まで10年間住み続ける必要があります。

ということを意味しています。

転勤や海外赴任時には住宅ローン控除(住宅ローン減税)を利用できないことを意味しているのです。

しかし、転勤や海外赴任をした場合、住宅ローン控除(住宅ローン減税)を完全に利用できないわけではありません。

単身赴任をする場合の住宅ローン控除(住宅ローン減税)

家族が引き続き購入したマイホームに住み続けるのであれば、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は適用されます。

国税庁ウェブサイトでは下記のように記載されています。

家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その住宅の取得等の日から6か月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。

なぜ、わざわざわかりにくく書くのかはわかりませんが「やむを得ない事情」でさえあれば、家族が住み続けている限り住宅ローン控除(住宅ローン減税)が利用できます。

ちなみに住宅を購入したときにすでに海外赴任をしていて、日本の非居住者であった場合にはその年の住宅ローン控除(住宅ローン減税)は受けられません。

家族と一緒に転勤・海外赴任した場合の住宅ローン控除(住宅ローン減税)

転勤・海外赴任中は住宅ローン控除(住宅ローン減税)は受けられません。

ただし、

  1. 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由であること
  2. 住宅購入時に住宅の取得の日から6か月以内に居住していること

の条件を満たせば、再び転勤・海外赴任から帰ってきてマイホームに住んだ年から、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の再適用が可能になるのです。(賃貸で貸していたときにはその年の翌年から再適用が可能)

国税庁ウェブサイトでは下記のように記載されています。

次の全ての要件を満たす場合は、当初居住の用に供した日の属する年以後(平成24年12月31日以前に居住の用に供しなくなった場合には、当初居住の用に供した日の属する年の翌年以後)、その家屋を再び居住の用に供したときは、その再び居住の用に供した日の属する年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後、残存控除期間につき、この特別控除の適用を受けることができます。
イ 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由(以下「特定事由」といいます。)があること。
ロ 平成21年1月1日以後に、その家屋をその者の居住の用に供しなくなったこと。
ハ 当初、住宅の取得の日から6か月以内にその者の居住の用に供していること。

転勤・海外赴任中は住宅ローン控除(住宅ローン減税)の再適用の手続き

転勤・海外赴任に行く前に必要な手続き

マイホームの所在地の所轄税務署長に下記書類を提出

  • 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」
  • 未使用分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
  • 未使用分の「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」

転勤・海外赴任から帰ってきたときに必要な手続き

納税地の所轄税務署長に下記書類を提出

  •  「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用)」
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 住民票の写し
  • 給与所得の源泉徴収票

海外赴任・転勤時の住宅ローン控除(住宅ローン減税)のよくある勘違い

2015年に住宅購入をして住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受ける方の場合、10年間2024年まで住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けることができます。

2015年 適用
2016年 適用
2017年 適用
2018年 適用
2019年 適用
2020年 適用
2021年 適用
2022年 適用
2023年 適用
2024年 適用

10年間です。この方が2017年~2019年の間に家族で海外赴任に出た場合には

再適用を利用したとしても、この10年が延長されるわけではありません。

2015年 適用
2016年 適用
2017年 適用外:海外赴任
2018年 適用外:海外赴任
2019年 適用外:海外赴任
2020年 適用
2021年 適用
2022年 適用
2023年 適用
2024年 適用

つまり、合計で7年分しか適用されないのです。

海外赴任・転勤時の住宅ローン控除(住宅ローン減税)は戻ってきたら、再適用ができるものの、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の期間が延長されるわけではありませんので注意が必要です。

まとめ

  • 家族がそのままマイホームに住み続ける場合は、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は利用できます。
  • 家族と一緒に海外赴任・転勤する場合は、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は利用できません。ただし、手続きをしておけば帰ってきてから再適用が可能になります。

海外赴任・転勤前の手続きを忘れてしまうと再適用もできなくなってしまうので注意が必要です。