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住宅ローン金利推移・今後の金利予想・業界レポート/2016年2月

住宅ローン金利推移・今後の金利予想・業界レポートです。2016年2月の住宅ローン金利推移、今後の金利がどうなるのかの予測、不動産業界・住宅ローン業界の最新動向、住宅ローン選びに影響する経済ニュースなどをまとめてレポートしています。住宅ローンを比較検討する上での参考にしてください。

2016年2月の住宅ローン金利推移

平均金利推移

年月 変動金利 当初10年固定金利 フラット35金利
2015年1月 0.768% 1.277% 1.470%
2015年2月 0.768% 1.223% 1.370%
2015年3月 0.795% 1.286% 1.470%
2015年4月 0.782% 1.298% 1.540%
2015年5月 0.782% 1.277% 1.460%
2015年6月 0.782% 1.326% 1.540%
2015年7月 0.782% 1.370% 1.610%
2015年8月 0.782% 1.329% 1.580%
2015年9月 0.777% 1.279% 1.540%
2015年10月 0.771% 1.273% 1.590%
2015年11月 0.761% 1.242% 1.550%
2015年12月 0.734% 1.197% 1.550%
2016年1月 0.693% 1.164% 1.540%
2016年2月 0.666% 1.168% 1.480%

変動金利:0.666%
前月対比:-0.027%
前年同月対比:-0.119%

当初10年固定金利:1.168%
前月対比:+0.005%
前年同月対比:-0.041%

フラット35金利:1.480%
前月対比:-0.060%
前年同月対比:+0.110%

現状

2015年12月29日時点で終値: 0.270%でしたが、2016年2月1日時点で終値: 0.070%と低下しました。これは日銀の当座預金のマイナス金利導入が大きな影響を与えています。銀行が預金する先の日銀の金利がマイナスになってしまったため、銀行は日銀に資金を預けるのではなく、他の融資先に資金を振り分ける必要があります。その一環として日本国債の買いに人気が集まり、金利が低下しているのです。また、銀行はその資金の振り分け先のひとつとして住宅ローンにも資金を集めたいと考えるので、顧客獲得のためにさらに住宅ローン金利を引き下げています。ダブルの効果で全体的に金利は低金利になりました。

今後の金利予想

日銀のマイナス金利導入の影響というのは、まだ完全に住宅ローン金利に反映されていません。来月以降も引き続き低金利傾向が進むと予測されます。ただし、マイナス金利は数年後、10数年後も維持されるものではないため、金利上昇リスクへの備えは依然としてしておくべきと考えます。

2016年2月発表の物件価格推移(2015年12月の統計)

マンション価格平均

年月 マンション 戸建て
2014/12 2847万円 3233万円
2015/1 2798万円 3363万円
2015/2 2926万円 3390万円
2015/3 2923万円 3259万円
2015/4 2828万円 3248万円
2015/5 2887万円 3305万円
2015/6 2914万円 3247万円
2015/7 2868万円 3217万円
2015/8 2832万円 3174万円
2015/9 2958万円 3402万円
2015/10 2948万円 3245万円
2015/11 2916万円 3131万円
2015/12 2864万円 3221万円

マンション価格:2,864万円
前月対比:-1.82%
前年同月対比:+0.59%

戸建て価格:3,221万円
前月対比:+2.79%
前年同月対比:-0.37%

現状

年末にかけて需要が減る時期であるため、マンション価格、戸建価格ともに低下しています。また、横浜のマンション杭打ちデータの改ざん問題も表面化してきたタイミングなので、マンション需要が減り、マンション価格が下がっています。戸建も、マンションも、昨年同月対比とほぼ変わらない状態となっています。

今後の物件価格予想

旭化成建材の杭打ち問題などの影響次第では、強気の価格設定ができなくなり、11月、12月と年末に向けてやや価格が落ちています。ただし、長期的に見ればオリンピックまでは不動産価格は緩やかに上昇することが予測されます。とくに中国人を中心とした外国人投資家の首都圏のマンションへの投資というのは活発化しており、戸建に対してマンション価格が割高な状態は続くと考えられています。さらに日銀のマイナス金利導入の影響で、住宅ローン金利がさらに低下するため、住宅需要が増え、それに合わせて強気の価格設定になることも想定されます。今後は、消費税10%への増税の駆け込み需要の影響も出てくるため、駆け込み需要が起こる前の物件購入がおすすめです。

2016年2月の民間銀行最新ニュース

auじぶん銀行が自社商品として住宅ローンの提供開始

三菱UFJ銀行と「au」を運営するKDDIの合弁会社であるauじぶん銀行が自社商品としての住宅ローンの提供を開始しました。

特徴は

です。疾病保障付で変動金利がここまで安いのは大きなメリットと言えるでしょう。さらに印紙代が無料でネット完結で契約ができるため、諸費用も2万円(※印紙代は融資額によって異なります。)安くなります。

auじぶん銀行住宅ローン

三菱UFJネット住宅ローン[カブコム専用]をカブドットコム証券が提供開始

カブドットコム証券が三菱UFJネット住宅ローン[カブコム専用]の代理販売を開始しました。

カブドットコム証券はMUFJフィナンシャル・グループの証券会社のため、三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンを取り扱う経緯となったのです。以前は三菱UFJ銀行のネット専用ローンは、同じグループのauじぶん銀行が販売していたのですが、auじぶん銀行が自社開発の住宅ローン商品の販売に切り替えたため、証券会社ですが銀行代理業の資格があるカブドットコム証券に白羽の矢が立ったのです。

三菱UFJ銀行としても、保証料0円で低金利のネット銀行住宅ローンに押されている状況なので、ネット専用住宅ローンはネット銀行に対抗するひとつの手段なのですが、既存の商品とバッティングしてしまうため、他の金融機関から販売せざるを得ないのです。

特徴は

という住宅ローンです。証券会社が販売するとなると不安を感じる方も多いかと思いますが、基本的にこれは三菱UFJ銀行の住宅ローンなので、契約先も三菱UFJ銀行で、サポート対応も三菱UFJ銀行のネット専用ローンです。低金利で保証料無料(金利組込済)というメリットしかありません。

三菱UFJネット住宅ローン[カブコム専用]

2016年2月の住宅ローン関連ニュース

日銀がマイナス金利導入を決定

日銀がマイナス金利導入を発表しました。銀行は日銀に顧客から預かった資金の一部を当座預金として預金しなければなりません。銀行は、日銀にお金を預けているのです。この当座預金の一部を-0.1%の金利にするということを日銀は発表したのです。

当座預金の金利がマイナスになるということは民間銀行は日銀に預金していても、資金が目減りしてしまうだけなので損失しか生みません。だとすると日銀の預金分の資金を企業融資やカードローン、住宅ローンなどの他の融資先に振り分ける必要があるのです。日銀は企業融資が活発化することを狙っているのですが、現状ではリスクの低い融資先である住宅ローンやカードローンに資金が集まることが予測されているのです。住宅ローンの顧客獲得競争が今以上に激化することが予測されます。「審査が甘くなる」「金利が低金利になる」「付加サービスが増える」という効果が期待されるのです。

また、ローリスクの運用先として日銀の当座預金が利用できない場合は、次いで選択肢に上がるのは日本国債なので、国債価格が上昇し、国債金利は低下します。国債金利が下がれば住宅ローン金利も下がるのです。

どちらにしても日銀のマイナス金利導入は住宅ローンにとっては金利低下、住宅ローンサービスの向上を促すものと考えて良いでしょう。

長期国債金利がさらに低下

2015年 12月 29日  終値: 0.270%
2016年 2月 1日  終値: 0.070%

マイナス金利の影響で、2月1日時点の国債金利は-0.2%と急落しました。ほぼ0.0%の水準に近付いているのです。今後、預金金利に連動して国債金利もマイナス金利になる可能性があります。

新設住宅着工は2カ月ぶりの増加

2015年12月

新築住宅着工:7万5452戸(前年同月比:1.3%減)

持ち家:2万2440戸(前年同月比:5.4%減)
貸家:3万3735戸(前年同月比:3.9%増)
分譲住宅:1万8920戸(前年同月比:3.5%減)

2か月ぶりの減少です。全体的に微減という状態ですが、10月中旬に横浜市のマンション杭打ちデータ改ざん問題が発覚したため、この影響も少なからずあるのではないかと推測されます。マイナス金利の影響により、住宅需要が増加することが見込まられるため、年初からは上昇に転じることが予想されます。

2016年2月の住宅購入者へのアドバイス

住宅購入のタイミング:すごく良い

日銀のマイナス金利導入の影響で、国債金利が0.07%という過去最低水準の金利になっているため、住宅ローン金利も全体的に低下しているため、住宅ローンの購入タイミングとしてはこれ以上ないタイミングと言っていいでしょう。銀行は日銀のマイナス金利導入で日銀に預金していた分を他の融資先に振り分ける必要があり、その振り分け先の一つが住宅ローンになることが予測されます。そのため、各銀行ともに今まで以上に顧客獲得競争が激化することになり、住宅ローン利用者にとっては「審査に通りやすい」「金利が低金利」「付加サービスが充実する」商品が増えることになります。消費税が10%になる前に購入する方が経済的にもメリットが高いと言えます。

住宅ローン選びの注意点

マイナス金利の導入で1年、2年の短期的なスパンで見れば金利が上昇するというリスクは少ないはずです。日銀や政府の目論見通り物価上昇・賃金上昇とはいかない可能性が高いのです。これは今を見てもあきらかなことです。ただし、5年、10年というスパンで見た場合には、日本株の上昇、円安誘導などで企業の景気が良くなり、物価上昇、インフレ、賃金上昇になる可能性があります。インフレ・好景気になれば給料も上がりますが金利も上がるため、変動金利を選ぶ場合でも金利上昇時の対策は十分に考えておく必要があります。

ただし、そのタイミングを正確に当てるのは至難の業なので、変動金利を選ぶ場合には「上昇したときにどうするか?」の事前準備をあらかじめしておくことが重要なのです。一番有効な方法は、低金利の変動金利を選んで、繰り上げ返済でできるだけ早い段階(金利上昇する前に)で元本を減らしておくことです。