住宅ローン比較コンシェル

住宅ローン審査基準をデータから徹底解明!基準別の審査対策も解説

目次

住宅ローン審査って何を審査しているのでしょうか?

ここでは実際に国土交通省が合計:1305社の金融機関に対して行った住宅ローン審査のアンケートデータを分析し、住宅ローンの審査基準を明らかにします。

調査時期:平成27年3月

住宅ローン審査の重要度ランキング

重要度審査項目回答数構成比
1位完済時年齢129699.3%
2位借入時年齢127497.6%
3位返済負担率126096.6%
4位担保評価125796.3%
5位健康状態125796.3%
6位勤続年数125195.9%
7位年収123794.8%
8位金融機関の営業エリア119991.9%
9位融資可能額(融資率) ①購入の場合119691.6%
10位融資可能額(融資率) ②借換えの場合119491.5%
11位連帯保証117890.3%
12位カードローン等の他の 債務の状況や返済履歴111785.6%
13位雇用形態97874.9%
14位申込人との取引状況84664.8%
15位国籍82363.1%
16位業種55542.5%
17位雇用先の規模42832.8%
18位家族構成38529.5%
19位所有資産31924.4%
20位性別25819.8%
21位その他13210.1%

考察

このアンケートデータは国土交通省が「住宅ローンの融資審査を行う際の審査項目を全てチェックし、可能であればその具体的な内容についてご回答願います。 」とヒアリングした情報です。

ということは、上記のランキングを見て上位のものは確実に金融機関で住宅ローン審査のときにチェックされている項目ということになります。

大きく分けると

が8割以上の金融機関が審査している審査基準ということがわかります。

これだけでは審査の内容がわからないため、さらに詳しく1項目ずつ解説していきます。

住宅ローン審査の重要度1位 / 完済時年齢 99.3%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
1位完済時年齢129699.3%85歳未満120.9%
80歳未満102678.7%
75歳未満1048.0%
70歳未満171.3%
なし00.0%
その他14511.1%

完済時年齢とは

完済する予定の年齢です。完済時の年齢が高くなると死亡リスクや病気などで収入がなくなるリスクが高まるため、完済時年齢が高いほど審査は通りにくくなり、完済時年齢が若いほど審査は通りやすくなるのです。

完済時年齢での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、80歳未満で78.7%になっています。約8割の金融機関は80歳未満に完済するところを審査基準として置いているのです。

完済時年齢での審査対策

80歳未満を超えてしまいそうな場合は、返済期間を短くすることで完済時年齢を80歳未満になるように調整しましょう。

住宅ローン審査の重要度2位 / 借入時年齢 97.6%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
2位借入時年齢127497.6%75歳未満141.1%
70歳未満15011.6%
65歳未満29022.4%
60歳未満513.9%
55歳未満50.4%
その他78260.5%

借入時年齢とは

借入する時点の年齢です。借入時年齢は高ければ高いほど、働ける期間が短くなることを意味するため、住宅ローンの審査では通りにくくなってしまいます。若ければ若いほど審査は通りやすいのです。

借入時年齢での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、65歳未満で22.4%になっています。少なくとも、年金生活に入る前までには住宅ローンに申込む必要があるということです。

借入時年齢での審査対策

年齢はごまかせないので、とにかく早めに住宅ローンを借りることを検討することが必要です。

住宅ローン審査の重要度3位 / 返済負担率 96.6%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
3位返済負担率126096.6%①50%以内00.0%
②45%以内4224.4%
③40%以内2916.9%
④35%以内4827.9%
⑤30%以内2414.0%
⑥20%以内52.9%
⑦その他2414.0%

返済負担率とは

年収に対しての毎年のローン返済額の割合のことを言います。

ローン返済額100万円 / 年収400万円 = 返済負担率 25%

という計算になります。借入金額が高くなればローン返済額が増えるため、返済負担率は上昇します。返済負担率が大きくなると収入に対してローン返済に充てる割合が増えるということになるので審査は通りにくくなるのです。

借入時年齢での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、35%以内の27.9%になっています。年収に対して35%までのローン返済であれば許容している金融機関が多いということになります。

借入時年齢での審査対策

返済負担率が35%を超えてしまっている場合には、ローン返済額を減らすしかありません。

ローン返済額を減らすためには

などの方法が考えられます。

住宅ローン審査の重要度4位 / 担保評価 96.3%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
4位担保評価125796.3%①融資判断に影響83567.7%
②融資判断に影響せず131.1%
③融資判断の参考にする36729.8%
④その他181.5%

担保評価とは

物件の担保価値のことを言います。住宅ローンの場合は、ローン返済ができない場合には物件を売却して返済に充てることになります。しかし、この物件の売却価格が低いとローンの残債に足らない可能性が出てくるのです。そのため、住宅ローン審査では物件の売却価格を意味する「担保価値」を重視するのです。

担保評価での審査対策

借入額に対して担保価値の高い物件を選ぶ必要があります。とくに重要視したいのは中古になっても売れやすい物件かどうかです。

などです。販売されている住宅価格と売却したときの想定価格「担保価値」は違うことに注意が必要です。

住宅ローン審査の重要度5位 / 健康状態 96.3%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
5位健康状態125796.3%①団信加入が必要107988.4%
②団信加入は不要70.6%
③団信加入は選択可能13511.1%

健康状態とは

住宅ローンの場合、民間銀行であれば基本的には「団信加入」が必須になります。そのため、「団信」の審査に通る必要があるのです。「団信」というのは住宅ローン契約者が死亡したときに残りの住宅ローン残債を保険金で支払う生命保険の一種です。つまり、生命保険の審査に通る健康状態であることが必要になるのです。

健康状態での審査対策

団信の審査が通らないというのであれば、団信加入が任意であるフラット35を選ぶ方法があります。団信に未加入であれば健康状態は関係ないのです。

住宅ローン審査の重要度6位 / 勤続年数 95.8%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
6位勤続年数125195.9%①3年以上37628.2%
②2年以上1209.0%
③1年以上68151.1%
④その他15611.7%

勤続年数とは

今の会社に勤めている年数のことです。勤続年数が長ければ長いほど、収入が安定していると判断され、審査は通りやすくなります。逆に勤続年数が短ければそれだけ収入が不安定と考えられてしまい、審査は落ちてしまうのです。

勤続年数での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、1年以上で51.1%になっています。最低でも1年以上は今の会社で働いていることが重要水されるのです。

勤続年数での審査対策

勤続年数で住宅ローン審査に落ちてしまうようであれば、まずは1年経過するまで待つことをおすすめします。1年経過していれば半分以上の金融機関で審査は通るということになります。

住宅ローン審査の重要度7位 / 年収 94.8%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
7位年収123794.8%①100万以上29021.9%
②150万以上52839.9%
③200万円以上21916.6%
④250万以上1027.7%
⑤その他18313.8%

年収とは

収入額を意味します。ただし、年収は住宅ローン審査ではそれほど重要視はされていません。なぜなら、返済負担率のところですでに年収をチェックしているようなものだからです。年収が低くても、借入額が少なければ問題ないと考えられているのです。

年収での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、150万円以上で39.9%になっています。月12万円ちょっと稼いでいれば到達できる基準です。年収は思った以上にハードルが低いのです。

年収での審査対策

年収で住宅ローン審査に落ちてしまうようであれば、まずは年収150万円以上を目指して転職や副業などを検討するべきです。ただし、年収150万円以上なのに審査に通らないという場合は、年収ではなく、返済負担率で引っかかっている可能性が高いのです。年収が150万円の場合は借入額でいえば1000万円程度までしか借りられないのです。

住宅ローン審査の重要度8位 / 金融機関の営業エリア 91.9%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
8位金融機関の営業エリア119991.9%①エリア内に居住105861.2%
②エリア内に勤務67138.8%

金融機関の営業エリアとは

地方銀行の場合、その銀行の営業エリアに住んでいるか?会社がある方にのみ融資をするということが多いのです。

金融機関の営業エリアでの審査対策

居住地のある地方銀行、勤務地のある地方銀行で住宅ローンを申込みましょう。全国展開の銀行であれば、どこに住んでいても問題ありません。

住宅ローン審査の重要度9位-10位 / 融資可能額(融資率) 91.6%

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
9位融資可能額(融資率) ①購入の場合119691.6%①80%以内16713.6%
②90%以内201.6%
③100%以内81666.5%
④110%以内312.5%
⑤120%以 内171.4%
⑥150%以内60.5%
⑦その他17013.9%

融資可能額(融資率)とは

物件価格に対する融資できる割合のことです。逆に言えば、自己資金(頭金)をいくら用意できるのか?ということになります。融資率9割であれば、物件価格の9割までしか融資できないことになるのです。最近では融資率100%を超える金融機関も少なくありません。

融資可能額(融資率)での審査が通るボーダーライン

一番多いのは、100%以内で66.5%になっています。自己資金ゼロでも、基本的には融資が可能ということになります。

融資可能額(融資率)での審査対策

融資可能額(融資率)で審査に通らない場合は、自己資金(頭金)を増やす必要があります。貯金や親からの援助などを駆使して、自己資金(頭金)を増やしましょう。

住宅ローン審査の重要度11位以下

重要度審査項目回答数構成比具体的な内容(複数回答)回答数(n=1305)割合
②150%以内443.7%
③200%以内49241.7%
④300%以内141.2%
⑤その他50642.8%
11位連帯保証117890.3%①系列保証会社の保証が必要82453.3%
②連帯保証不要674.3%
③外部保証会社の保証 が必要48231.2%
④その他17411.2%
12位カードローン等の他の 債務の状況や返済履歴111785.6%---
13位雇用形態97874.9%①派遣社員は対象外58140.9%
②契約社員は対象外50335.4%
③自営業者は対象外141.0%
④その他32222.7%
14位申込人との取引状況84664.8%---
15位国籍82363.1%①日本国籍60742.3%
②永住許可67547.0%
③日本国籍の配偶者1097.6%
④その他443.1%
16位業種55542.5%---
17位雇用先の規模42832.8%---
18位家族構成38529.5%---
19位所有資産31924.4%---
20位性別25819.8%---
21位その他13210.1%---

連帯保証とは

連帯保証とは、通常は連帯保証人をイメージしてしまうかもしれませんが、今では連帯保証人は不要で、その代わり保証会社が保証する形が一般的です。保証料が発生するのです。

カードローン等の他の 債務の状況や返済履歴とは

他の借入での返済遅延があると住宅ローン審査は通りにくくなります。年2回以上の返済遅延、61日以上の返済遅延は致命的になってしまう可能性があるのです。

申込人との取引状況とは

銀行は給与振込口座などを持っていると、住宅ローン審査に通りやすくなることがあります。収入がいくらあるか?の確認が自行でできるので、安心材料になるのです。他にもその銀行との取引があることがプラスに働くこともあるのです。

国籍とは

外国の方でも、日本国籍がある方、永住許可をもらっている方は審査には問題ないようです。

業種とは

業種も念のためという程度で審査では確認する金融機関があります。

雇用先の規模とは

雇用先の規模も同様に年収などの裏付けの一つといえます。

家族構成とは

家族構成は大きな問題にはなりません。収入が低くて子供が沢山いる場合など生活費の負担が多いなどを懸念する金融機関もあるようです。

所有資産とは

所有資産が多ければ、返済不能な時に資産を売却して費用をねん出することが可能です。資産は多いほどプラスに働きます。

性別とは

女性はどうしても平均年収が低く、役職も上がりにくい為、雇用の安定性というのが低くなります。しかし、最近では女性の社会進出も増えてきており、審査基準としての重要度は低いのです。

まとめ

住宅ローン審査は上記のような審査基準から成り立っていることは間違えありません。

住宅ローン審査に通らない、審査に落ちてしまう方は、自分の場合、どの項目が弱いのか?確認したうえで適切な対策を取りましょう。