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住宅ローンは近年低金利競争が激化し「これ以上金利を引き下げてしまうと・・・銀行には利益が残らない」という声も聞かれるほど、過熱しているのです。
これには、利益が出なくても持っている資金を貸さないといけないという銀行特有の事情もあるのですが
「金利が下げられないのであれば新しいメリットを作ろう。」
と考える銀行が増えてきているのです。そのため、最近では住宅ローンごとに独自のサービスや独自の付加価値を用意しているものが増えているのです。
住宅ローン独自のサービス・付加価値にはどんなものがある?
当サイト独自の分類ですが大きく分けると
- グループ会社の会員優遇型
- 提携会社の優待型
- 保障無料付帯型
- 返済サポート型
の4種類のパターンに分けられます。
1.グループ会社の会員優遇型
まずは例で説明すると
イオン銀行の住宅ローンでは、5年間イオンでの買い物が5%OFF
になるというサービスです。
イオン銀行はご存知の通り、イオングループの銀行なので、イオンを利用してもらうとイオングループ全体にとってもメリットがあるため、このような会員優遇サービスを住宅ローンに付加しているのです。
5年間で上限は22.5万円と設定されていますが、22.5万円が安くなるとしたら大きなメリットと言えます。しかし、一方イオンカードを持っていれば毎月20日、30日は5%OFFが元々ついているため、日常でも効率的に買い物している方ならいらないというケースもあります。
今後も、新しい形態の銀行の場合は、イオン銀行のようにグループ会社のサービスを利用したときの会員優遇などをサービスに付加してくるところが増えるのではないでしょうか。
2.提携会社の優待型
まずは例で説明すると
SBI新生銀行の住宅ローンでは、家事代行サービスが一定回数無料で利用できる
というサービスです。
これはSBI新生銀行が提携している家事代行サービス会社の無料利用クーポンを融資額に応じて配布するという形のもので、どちらかというとクレジットカードなどの会員特典と同じ仕組みと言えます。
クレジットカードを持つと優遇があるというようなビジネスモデルはすでに確立されているため、今後も住宅ローン会社にとっては導入しやすい差別化サービスといえるでしょう。
家事代行や病児保育などのサービスは、子育てをする女性には大きなメリットとして感じられるはずです。
3.保障無料付帯型
まずは例で説明すると
住信SBIネット銀行の住宅ローンでは、全疾病補償が無料で付帯される
というサービスです。
疾病保障というのは、ある病気にかかって就業不能状態になった場合に残りの住宅ローン返済が免除されるというものです。病気になって働けないために住宅ローンの返済ができないというリスクを排除できる便利なサービスで、どこの銀行でも扱っているサービスなのですが、通常は金利に+0.2%~0.3%加算という保険料が発生するのです。
金利に+0.2%~0.3%加算というのは、金額に換算すると借入額にもよりますが200万円~300万円の費用負担になるのです。それが無料になるというのは、金銭的メリットとしてもかなり大きなものと言えるのです。
4.返済サポート型
まずは例で説明すると
ソニー銀行の住宅ローンでは、金利発表が15日前にあり、固定金利と変動金利の変更が何度でも自由にできる
というサービスです。
他の銀行の住宅ローンでも、金利タイプの変更は自由に可能ですが、ソニー銀行の場合は翌月の金利がどうなるのか?を約15日前に発表する独自の方法を取っています。そのため、事前に金利が上がりそうか?下がりそうか?を確認したうえで金利タイプの変更ができるのです。
これも金銭メリットして換算はしにくいのですが、将来の金利上昇リスクを抑えるという意味でも、返済を後押ししてくれるメリットと言えます。
住宅ローンを比較するときは「総返済額の安さ」+「付加価値」で比較
前述したように
住宅ローン各社の独自サービスというのがどんどん増えてきているのです。
今後も、この傾向は強まっていくでしょう。
そのため、単純に
「総返済額が安い住宅ローン」 = 「利用者にメリットが一番大きい住宅ローン」
ではなくなってきているのです。
総返済額のウェイトというのは依然として大きいものの、それに加えて独自サービスのメリットを合わせて比較しなければならないのです。
前述したような住宅ローンの独自サービスというのは、万人が同じ価値を感じるものではなく
リスクに不安を感じる方は、疾病保障無料に大きな魅力を感じるでしょうし、
家事代行などを使いたい主婦の方は、家事代行サービス無料に大きな魅力を感じるものです。
人それぞれ独自サービスに対する価値の評価は違うため、自分なりに評価し、総返済額の安さと合わせて住宅ローンを比較するべきなのです。
まとめ
住宅ローンを比較するおすすめの方法は
「総返済額の安さ」 + 「独自サービスの価値」 で住宅ローンを比較する
です。
今後、より進化していくことが予測される住宅ローン独自のサービスも、忘れずに比較検討項目に入れることが大切です。