talk128_128「住宅ローンの借り換えをした方が良いというニュースを見たのですが、不安なので誰かに相談したいのですが・・・」という質問をいただくことがあります。

しかし、住宅ローン借り換えに相談なんていらないのです。とくにやってはいけないのは、現在借入中の銀行担当者への相談です。

その理由を解説します。

そもそも、住宅ローン借り換えに相談する必要なんてない!

住宅ローン借り換えというのは

  1. 借り換え先の銀行からお金を借りて
  2. 現在借入中の銀行の住宅ローン残高を一括返済することによって
  3. 債務を移すこと

を言います。

その結果

諸費用 + 手間コスト < 金利低下によって返済額が軽減できる金額

になれば、借り換えメリットがあり「借り換えした方が良い」というものです。

至ってシンプルなものなのです。お金を借りるというローンサービスは商品による違いというのはほとんどないのです。

住宅ローンを新規で契約するときには

  • 住宅ローンのことで銀行の担当者に相談する
  • 生命保険や医療保険、がん保険との兼ね合いでFPや保険の営業マンに相談する
  • 将来のライフプランとの兼ね合いでFPに相談する
  • 購入する物件のことを不動産会社に相談する
  • 自己資金を準備するために家族と相談する
    ・・・

といろいろ相談しながら、検討していく必要があります。

しかし、住宅ローンの借り換えにおいては

返済期間や金利タイプを変えない限りは

「諸費用と比較して、返済額が軽減できる金額にメリットがあるかないか?」だけが重要なポイントなのです。

すでに住宅は購入済で返済をしている状態ですので、この段階で「誰かに相談をする」という手順は必要ないと考えます。メリットのあるなしだけなのです。

シミュレーションツールも用意されているので、自分で判断できるのが「住宅ローン借り換え」です。「住宅ローン新規借り入れ」時とは違うということを理解しましょう。

住宅ローン借り換えメリットの計算方法。借り換え判断の重要な指標

やってはいけない。現在の銀行担当者への借り換え相談

ありがちなのは、現在借入中の銀行担当者への住宅ローン借り換え相談です。

新規の契約時に良くしてくれた銀行の営業マンなので、気軽に話せる分相談をしてしまいがちなのですが・・・

銀行、銀行の営業マンは借り換えをしてほしくないものなので借り換え妨害してくる可能性が高いのです。

銀行にとって借り換えをされるということは「今後得られていたはずの住宅ローンの利息収入が他の銀行に取られてしまう。」ことを意味します。

つまり、大きな損失を被るということになります。

営業マンも自分の成績に直結するため、「借り換えを阻止しよう」と働きかけることになります。

「借り換えしなくても、このぐらいなら金利を下げられますよ。」
「当銀行の別の住宅ローンに借り換えしませんか?」
・・・

というような代案を提示してくれてソフトに阻止しようとしてくれるのですが、前述した通りで住宅ローンの借り換えを判断するポイントは「借り換えメリットがどのくらい大きくなるのか?」です。

公平に住宅ローンを比較して、借り換えメリットがいちばん大きい住宅ローンを選ぶべき

です。

それなのに、関係の深い現在借入中の銀行の営業マンに代案を提案されてしまうと、断りにくく借り換えメリットの低い代案で妥協してしまうことが多いのです。

これでは本末転倒です。

住宅ローン借り換え相談の中で最もやってはいけないのは、現在借入中の銀行の営業マンに相談することです。

やってはいけない。借り換え先銀行への相談

借り換え先の銀行へも住宅ローンの借り換え相談はしない方が良いでしょう。

これは現在借入中の銀行への相談とは逆に「借り換えさせよう」というベクトルに力が働くからです。

銀行は借り換えを誘導するために相談会などを開催しています。

本当にその銀行に借り換えるのが借り換えメリットが最大になるのであれば良いのですが、相談を受け付けているのはメガバンクなどが多く、借り換えメリットが最大になるネット銀行は行っていない場合が多いのです。

これも同様に

公平に住宅ローンを比較して、借り換えメリットがいちばん大きい住宅ローンを選ぶべき

という原則から外れてしまうのです。

それでもFPなどの専門家に相談した方が良いケースはありますか?

強いてあげるのであれば・・・

全期間固定金利から変動金利への借り換え

です。

金利プランを「全期間固定金利から変動金利へ借り換える」ということは

金利は大幅に低下する = 借り換えメリットもかなり高額になる

とメリットが大きくなる一方

全期間固定金利にはない金利変動リスクが発生する

という今までにないリスクが発生してしまうことになります。

ありがちなのは

「当初は、所得も平均より少ないので金利上昇リスクがない全期間固定金利のフラット35にしたのですが、返済負担を軽減したいのと、数年を見ていると金利は上がらなそうなので変動金利に借り換えてもいいかなと思っています。計算したら300万円も借り換えメリットがあったので。」

というケースです。

住宅ローンの新規借り入れ時に想定していたライフプランを一時のメリットにつられて変更するというのは大きなリスクを伴います。

この方の場合、低所得だから金利上昇時に返済ができなくなってマイホームを手放さなければらないというリスクを回避するために全期間固定金利にしたのに「やっぱり大丈夫そうだから借り換えをしたくなった」と言っているのです。

これも本末転倒ですので「本当に借り換えをすべきなのか?」ライフプランも含めてFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するということも選択肢のひとつと言えます。

まとめ

住宅ローンの借り換え相談はする必要がありません。

公平に住宅ローンを比較して、借り換えメリットがいちばん大きい住宅ローンを選ぶこと

が最重要だからです。

現在借入中の銀行に相談すると「引き留めようとする」力が働き
借り換え先の銀行に相談すると「借り換えをさせようとする」力が働くので

公平に「借り換えメリットがいちばん大きい住宅ローンを選ぶ」ことができなくなるのです。

住宅ローン借り換えでは相談はせずに、自分自身で借り換えメリットを計算して、実行の可否を判断することをおすすめします。

住宅ローン借り換えメリットの計算方法。借り換え判断の重要な指標