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住宅ローンを比較検討する際には、まず「金利タイプを選ぶこと」と言いましたが、その次にする手順は選んだ金利タイプでの総返済額が一番安くなる住宅ローンを探すことになります。

なぜ、総返済額で決めなければならないのか?徹底解説します。

住宅ローンの金利が低ければ、総返済額が低いわけではない!

住宅ローンを比較検討する際には、どうしても「金利」に目が行ってしまうかと思います。

しかし、この「金利」というのが曲者で、実際に「金利」だけで比較しては最終的な総返済額がわからないケースがあるのです。

ケース1:金利は低金利でも、保証料が金利に加算されてしまうケース

メガバンクや地方銀行の場合には、保証料というものが発生します。

保証料というのは、住宅ローンが返済できなくなった場合に保証会社が代わりに銀行に返済するサービスを利用するための費用であり、必要な費用であることに違いはないのですが、ネット銀行の場合にはこの保証料が0円なのです。

  • ネット銀行 A銀行 金利 1.0%
  • メガバンク B銀行 金利 0.9%

と見た目の金利では、B銀行の方が低金利になっていますが、保証料が金利に+0.2%されてしまうため

実際には

  • ネット銀行 A銀行 金利(保証料込) 1.0%
  • メガバンク B銀行 金利(保証料込) 1.1%

このようにネット銀行のA銀行の方が金利が低いことになるのです。当然、A銀行の方が最終的に返済すべき総返済額も安くなるのです。

ケース2:諸費用が違うケース

ネット銀行は前述したとおりに保証料が無料なのですが、その分事務手数料と言うのが発生します。この事務手数料は借入金額の2%(税抜)というのが相場ですが、ネット銀行によっては格安の事務手数料の銀行もあるのです。

  • ネット銀行 A銀行 金利 1.0%
  • ネット銀行 B銀行 金利 1.05%

で、一見ネット銀行のA銀行の方が金利が低いと思ってしまうこともあるのですが

  • ネット銀行 A銀行 金利 1.0% 事務手数料 借入額の2.16%(3000万円借入時に64万8000円)
  • ネット銀行 B銀行 金利 1.05% 事務手数料 10万8000円

だとすると、ネット銀行のA銀行の方が諸費用は54万円も高いことになります。金利が0.05%低いだけですが、54万円も諸費用が高くなるのです。

この場合、「どちらがお得か」正確に比較することはできるでしょうか?

そうなんです。

金利の0.05%がどのくらいの負担になるのか?を計算しなければ、この場合は、A銀行がお得なのか?B銀行がお得なのか?も判断することができないのです。

だからこそ、金利や諸費用ではなく、総返済額で住宅ローンは比較するべきなのです。

他にも

  • フラット35なら団信費用は有料、民間銀行なら団信費用は無料
  • 当初固定金利なら、当初期間の金利は低いけれども、当初期間終了後の金利は高い

など、金利や諸費用だけでは正確にお得度を比較できないケースがあるのです。

総返済額で比較すれば、金利も、諸費用も、すべて含んで比較できる

総返済額というのは

金利(保証料) と 諸費用(事務手数料、団信料、登記費用、印紙代・・・)

から算出するものです。

そのため

  • 保証料が有料であるか?無料であるか?
  • 事務手数料が多いか?少ないか?
  • 団信料が有料であるか?無料であるか?
  • 当初期間終了後の金利はどうなのか?

すべて加味したうえで、総返済額が決定するのです。

つまり、総返済額で比較すれば、一番費用負担が少ない住宅ローンがわかるのです。

利用者にとってベストな選択というのは

一番費用負担が少ない住宅ローン

と言っていいでしょう。

だからこそ

住宅ローンを比較するときは総返済額で比較する

ことをおすすめするのです。

どうやって総返済額で比較すれば良いの?

シミュレーションツールを使いましょう。

こちらのページに用意している住宅ローンシミュレーションツールであれば、借入総額を入力すれば総返済額の安い順に比較できる仕組みになっています。

内訳を見れば、毎月の返済額や諸費用、総返済額もわかります。

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住宅ローンを総返済額で比較する場合の注意点

総返済額よりも重視すべきこともある

住宅ローンを比較検討する際には、総返済額で比較することがおすすめなのは変わりませんが、例外的に総返済額が安いことが重要でないケースというのもあるのです。

初期の費用負担の方が重要なケース

総返済額が安いよりも、住宅ローンを借りてから10年間の返済額が低い方が良い

という人もいます。

子どもが生まれて、子育て費用や教育費などの費用負担が大きい時期には住宅ローンの返済額を抑えたいというニーズです。この場合は、多少総返済額が高くても、当初期間の金利が低い当初固定金利も選択肢に入ってくるのです。

審査に不安があるケース

総返済額の低い住宅ローンに申込んだけど、審査に通らなかった

という場合には、総返済額うんぬんの前に、審査に取りやすい住宅ローンを選ぶ必要が出てきます。この場合にはフラット35など審査が通りやすい住宅ローンを選択肢に入れる必要が出てきます。

総返済額よりも魅力的なサービスがあるケース

疾病保障や介護保障などの補償が充実している安心感を重視したい

住宅ローンは競争が激化しているため、各銀行ともに独自のサービスを打ち出しています。たとえば、疾病保障が無料という銀行もあるのです。この場合、総返済額に「疾病保障が無料」という特典を加味して、比較しなければなりません。

当然、「疾病保障が無料」という価値に対する評価はひとそれぞれ違うので、自分なりに評価する必要があるのです。

これは無視して構わない

銀行の信用度を気にする必要はない

総返済額は高いけれども、信頼できるメガバンクにしたい

これは間違った判断です。簡単に言えば、「信用」というのが何を基準にしているのかにもよるのですが、銀行が倒産する可能性のことを考えているのであれば、住宅ローンの場合は考える必要はありません。

なぜなら、住宅ローンは預金と違って、預けるのではなく、借りる側だからです。銀行が倒産しても、問題はないのです。

銀行が倒産Sにても、住宅ローンの債務は別の銀行に引き継がれるだけなので、返済義務がなくなるわけではありませんが、かといって借りていた銀行が倒産したからといって発生するデメリットもないのです。

住宅ローンを比較する際に信用度を気にする必要はないのです。

まとめ

住宅ローンを比較検討する場合には

総返済額で比較すること

をおすすめします。