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「現金で住宅を買うのと、住宅ローンで買うのどっちがお得なんだろう?」

お金持ちの方、もしくは親がお金持ちで相続税対策などで購入資金を援助してくれる方などの場合は「現金で住宅を購入する」方もいるかと思います。「現金で住宅を購入する方が利息がないのでお得になる」と考えてしまいがちですが、実際には「住宅ローン減税」のことも考えれば住宅ローンを組んだ方がお得になる可能性が高いのです。今回はその是非について検証してみます。

現金での住宅購入よりも、住宅ローンを組んだ方がお得になる仕組み

現金で住宅購入する

  • 諸費用なし
  • 利息負担なし

住宅ローンで住宅購入する

マイナス面

  • 諸費用あり
  • 利息負担あり

プラス面

  • 住宅ローン減税が利用できる
  • 団信(団体信用生命保険)あり

つまり、

( 諸費用負担 + 利息負担 ) < 住宅ローン減税の減税額

であれば、「現金での住宅購入」よりも「住宅ローンでの住宅購入の方がお得」という結論になるのです。

では、試算してみます。

検証の前提

検証日:2017年7月26日

  • 住宅ローン減税が使える10年間住宅ローンを組んで10年経過後に完済する
  • 変動金利だが金利上昇がないものとする
  • 住宅ローン減税の控除額は最大限利用できる方を前提にする
  • すまい給付金は考慮しないものとする(現金購入ができる方は対象にならない可能性が高い為)

返済シミュレーションは当サイトのシミュレーションで計算します。

住宅ローン返済シミュレーション/返済予定表(償還予定表)ダウンロード

検証その1.「変動金利が一番低金利の住信SBIネット銀行の場合」

住信SBIネット銀行の住宅ローンスペック

  • 変動金利:0.444%
  • 保証料:無料
  • 事務手数料:借入額の2.0%(税別)
  • 諸費用:10万円と仮定(司法書士報酬・ 登録免許税など)

借入額:3000万円の場合

諸費用 = 3000万円 × 2.16% + 10万円 = 748,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)925,620925,620925,620131,580131,58029,205,960
2年目(2018年7月~)925,620925,6201,851,240128,047259,62728,408,387
3年目(2019年7月~)925,620925,6202,776,860124,499384,12627,607,266
4年目(2020年7月~)925,620925,6203,702,480120,933505,05926,802,579
5年目(2021年7月~)925,620925,6204,628,100117,353622,41225,994,312
6年目(2022年7月~)925,620925,6205,553,720113,754736,16625,182,446
7年目(2023年7月~)925,620925,6206,479,340110,146846,31224,366,972
8年目(2024年7月~)925,620925,6207,404,960106,518952,83023,547,870
9年目(2025年7月~)925,620925,6208,330,580102,8741,055,70422,725,124
10年目(2026年7月~)925,620925,6209,256,20099,2141,154,91821,898,718

10年目までの利息累計:1,154,918円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年29,603,421296,034
2018年28,807,616288,076
2019年28,008,271280,082
2020年27,205,369272,053
2021年26,398,895263,988
2022年25,588,829255,888
2023年24,775,162247,751
2024年23,957,875239,578
2025年23,136,954231,369
2026年22,312,379223,123
合計2,597,942

10年目までの住宅ローン控除・減税額:2,597,942円

結果

諸費用:748,000円 + 利息累計:1,154,918円 < 住宅ローン控除・減税額:2,597,942円

2,597,942円 - ( 748,000円 + 1,154,918円 ) = 695,024円

現金購入よりも住宅ローンの方が695,024円お得になる

借入額:5000万円の場合

諸費用 = 5000万円 × 2.16% + 10万円 = 1,180,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)1,542,7081,542,7081,542,708219,304219,30448,676,596
2年目(2018年7月~)1,542,7081,542,7083,085,416213,414432,71847,347,302
3年目(2019年7月~)1,542,7081,542,7084,628,124207,501640,21946,012,095
4年目(2020年7月~)1,542,7081,542,7086,170,832201,560841,77944,670,947
5年目(2021年7月~)1,542,7071,542,7077,713,539195,5941,037,37343,323,834
6年目(2022年7月~)1,542,7021,542,7029,256,241189,6001,226,97341,970,732
7年目(2023年7月~)1,542,7031,542,70310,798,944183,5821,410,55540,611,611
8年目(2024年7月~)1,542,7031,542,70312,341,647177,5351,588,09039,246,443
9年目(2025年7月~)1,542,7021,542,70213,884,349171,4601,759,55037,875,201
10年目(2026年7月~)1,542,7031,542,70315,427,052165,3591,924,90936,497,857

10年目までの利息累計:1,924,909円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年49,339,033400,000
2018年48,012,687400,000
2019年46,680,440400,000
2020年45,342,265400,000
2021年43,998,137400,000
2022年42,648,034400,000
2023年41,291,925400,000
2024年39,929,785399,297
2025年38,561,583385,615
2026年37,187,293371,872
合計3,956,784

10年目までの住宅ローン控除・減税額:3,956,784円

結果

諸費用:1,180,000円 + 利息累計:1,924,909円 < 住宅ローン控除・減税額:3,956,784円

3,956,784円 - ( 1,180,000円 + 1,924,909円 ) = 851,875円

現金購入よりも住宅ローンの方が851,875円お得になる

考察

どちらも、50万円以上、利息や諸費用の負担額よりも、住宅ローン減税の控除額の方が大きい結果になったため、現金で住宅購入するよりも、住宅ローンを使って住宅購入した方がお得という結果になっています。

ただし、この試算は「変動金利が一番低金利の住信SBIネット銀行」での試算ですので、住宅ローン金利が上昇してしまったら、前提条件が崩れてしまいます。

検証その2.「完済までの10年固定金利が一番低金利のじぶん銀行の場合」

じぶん銀行の住宅ローンスペック

  • 当初10年固定金利:0.580%
  • 保証料:無料
  • 事務手数料:借入額の2.0%(税別)
  • 諸費用:10万円と仮定(司法書士報酬・ 登録免許税など)

借入額:3000万円の場合

諸費用 = 3000万円 × 2.16% + 10万円 = 748,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)947,280947,280947,280171,935171,93529,224,655
2年目(2018年7月~)947,280947,2801,894,560167,426339,36128,444,801
3年目(2019年7月~)947,280947,2802,841,840162,891502,25227,660,412
4年目(2020年7月~)947,280947,2803,789,120158,330660,58226,871,462
5年目(2021年7月~)947,280947,2804,736,400153,742814,32426,077,924
6年目(2022年7月~)947,280947,2805,683,680149,127963,45125,279,771
7年目(2023年7月~)947,285947,2856,630,965144,4851,107,93624,476,971
8年目(2024年7月~)947,286947,2867,578,251139,8171,247,75323,669,502
9年目(2025年7月~)947,286947,2868,525,537135,1201,382,87322,857,336
10年目(2026年7月~)947,285947,2859,472,822130,3961,513,26922,040,447

10年目までの利息累計:1,513,269円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年29,612,890296,128
2018年28,835,293288,352
2019年28,053,175280,531
2020年27,266,509272,665
2021年26,475,268264,752
2022年25,679,426256,794
2023年24,878,955248,789
2024年24,073,823240,738
2025年23,264,007232,640
2026年22,449,484224,494
合計2,605,883

10年目までの住宅ローン控除・減税額:2,605,883円

結果

諸費用:748,000円 + 利息累計:1,513,269円 < 住宅ローン控除・減税額:2,605,883円

2,605,883円 - ( 748,000円 + 1,513,269円 ) = 344,614円

現金購入よりも住宅ローンの方が344,614円お得になる

借入額:5000万円の場合

諸費用 = 5000万円 × 2.16% + 10万円 = 1,180,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)1,578,8161,578,8161,578,816286,560286,56048,707,744
2年目(2018年7月~)1,578,8161,578,8163,157,632279,048565,60847,407,976
3年目(2019年7月~)1,578,8161,578,8164,736,448271,489837,09746,100,649
4年目(2020年7月~)1,578,8161,578,8166,315,264263,8851,100,98244,785,718
5年目(2021年7月~)1,578,8161,578,8167,894,080256,2381,357,22043,463,140
6年目(2022年7月~)1,578,8161,578,8169,472,896248,5471,605,76742,132,871
7年目(2023年7月~)1,578,8161,578,81611,051,712240,8121,846,57940,794,867
8年目(2024年7月~)1,578,8161,578,81612,630,528233,0312,079,61039,449,082
9年目(2025年7月~)1,578,8161,578,81614,209,344225,2042,304,81438,095,470
10年目(2026年7月~)1,578,8161,578,81615,788,160217,3322,522,14636,733,986

10年目までの利息累計:2,522,146円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年49,354,808400,000
2018年48,058,802400,000
2019年46,755,260400,000
2020年45,444,137400,000
2021年44,125,388400,000
2022年42,798,970400,000
2023年41,464,839400,000
2024年40,122,950400,000
2025年38,773,257387,732
2026年37,415,715374,157
合計3,961,889

10年目までの住宅ローン控除・減税額:3,961,889円

結果

諸費用:1,180,000円 + 利息累計:1,924,909円 < 住宅ローン控除・減税額:3,961,889円

3,961,889円 - ( 1,180,000円 + 1,924,909円 ) = 259,743円

現金購入よりも住宅ローンの方が259,743円お得になる

考察

10年固定金利でも、利息や諸費用の負担額よりも、住宅ローン減税の控除額の方が大きい結果になったため、現金で住宅購入するよりも、住宅ローンを使って住宅購入した方がお得という結果になっています。

ただし、借入額が大きくなるにつれて、住宅ローン減税の控除額には上限があるため、お得になる金額は小さくなっています。

検証その3.「預金連動がある東京スター銀行の場合」

東京スター銀行の住宅ローン「スターワン住宅ローン」には預金連動という仕組みがあります。

預金した金額分は、住宅ローン金利が0.0%になる

というものです。これを使えばさらに住宅ローン利用の方がお得になるはずです。

東京スター銀行の住宅ローンスペック

  • 変動金利:0.0%(全額預金連動)
  • 保証料:メンテナンスパック3 100万円につき月250円(金利0.3%換算)
  • 事務手数料:借入額の2.0%(税別)
  • 諸費用:10万円と仮定(司法書士報酬・ 登録免許税など)

借入額:3000万円の場合

諸費用 = 3000万円 × 2.16% + 10万円 = 748,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)903,036903,036903,03688,87888,87829,185,842
2年目(2018年7月~)903,036903,0361,806,07286,430175,30828,369,236
3年目(2019年7月~)903,036903,0362,709,10883,977259,28527,550,177
4年目(2020年7月~)903,036903,0363,612,14481,516340,80126,728,657
5年目(2021年7月~)903,036903,0364,515,18079,048419,84925,904,669
6年目(2022年7月~)903,036903,0365,418,21676,572496,42125,078,205
7年目(2023年7月~)903,036903,0366,321,25274,090570,51124,249,259
8年目(2024年7月~)903,036903,0367,224,28871,600642,11123,417,823
9年目(2025年7月~)903,031903,0318,127,31969,102711,21322,583,894
10年目(2026年7月~)903,030903,0309,030,34966,596777,80921,747,460

10年目までの利息累計:777,809円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年29,593,227295,932
2018年28,777,845287,778
2019年27,960,015279,600
2020年27,139,726271,397
2021年26,316,972263,169
2022年25,491,747254,917
2023年24,664,043246,640
2024年23,833,853238,338
2025年23,001,171230,011
2026年22,165,990221,659
合計2,589,441

10年目までの住宅ローン控除・減税額:2,589,441円

結果

諸費用:748,000円 + 利息累計:777,809円 < 住宅ローン控除・減税額:2,597,942円

2,589,441円 - ( 748,000円 + 777,809円 ) = 1,063,632円

現金購入よりも住宅ローンの方が1,063,632円お得になる

借入額:5000万円の場合

諸費用 = 5000万円 × 2.16% + 10万円 = 1,180,000円

年月住宅ローン1年間ローン返済額ローン返済額累計利息合計利息累計元金残高
1年目(2017年7月~)1,505,0521,505,0521,505,052148,130148,13048,643,078
2年目(2018年7月~)1,505,0521,505,0523,010,104144,053292,18347,282,079
3年目(2019年7月~)1,505,0521,505,0524,515,156139,965432,14845,916,992
4年目(2020年7月~)1,505,0521,505,0526,020,208135,864568,01244,547,804
5年目(2021年7月~)1,505,0521,505,0527,525,260131,750699,76243,174,502
6年目(2022年7月~)1,505,0521,505,0529,030,312127,624827,38641,797,074
7年目(2023年7月~)1,505,0521,505,05210,535,364123,487950,87340,415,509
8年目(2024年7月~)1,505,0521,505,05212,040,416119,3371,070,21039,029,794
9年目(2025年7月~)1,505,0521,505,05213,545,468115,1701,185,38037,639,912
10年目(2026年7月~)1,505,0521,505,05215,050,520110,9941,296,37436,245,854

10年目までの利息累計:1,296,374円

住宅ローン控除・減税額

元金残高最大控除・減税額
2017年49,322,048400,000
2018年47,963,089400,000
2019年46,600,047400,000
2020年45,232,911400,000
2021年43,861,668400,000
2022年42,486,304400,000
2023年41,106,810400,000
2024年39,723,171397,231
2025年38,335,375383,353
2026年36,943,405369,434
合計3,950,018

10年目までの住宅ローン控除・減税額:3,950,018円

結果

諸費用:1,180,000円 + 利息累計:1,296,374円 < 住宅ローン控除・減税額:3,950,018円

3,950,018円 - ( 1,180,000円 + 1,296,374円 ) = 1,473,644円

現金購入よりも住宅ローンの方が1,473,644円お得になる

考察

預金連動であれば、金利は0.0%、その代わりにメンテナンスパックで0.3%分の上乗せがありますが、これは金利変動リスクもありませんから、現金購入よりも住宅ローンの方が大きくお得になるという結果でした。

ちょっと待って、実はさらにお得になる要素があります!

本来現金で住宅を購入しようとしていたのですから・・・現金が手元にあるはずです。

これを元本割れのリスクがない「定期預金」に預金したらどうなるのでしょうか?住宅を現金で購入していたら、得られていない利息が得られるはずです。

定期預金金利が高い銀行

オリックス銀行「eダイレクト定期預金」

http://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/edirect/index.html

2017年7月26日時点

預入期間スーパー定期スーパー定期300大口定期
100万円以上300万円以上1,000万円以上
6カ月0.10%0.10%0.10%
1年0.25%0.25%0.25%
2年0.30%0.30%0.30%
3年0.35%0.35%0.37%
5年0.35%0.35%0.37%

「5年もの金利:0.37% × 2回」の10年分の利息が得られるのです。

3000万円の借入

  • 税引き前利息:1,128,665円
  • 税引き後利息:899,376円

5000万円の借入

  • 税引き前利息:1,498,960円
  • 税引き後利息:1,881,108円

東京スター銀行の預金連動を使う場合には「スターワン円普通預金」しか利用できません

スターワン円普通預金

http://www.tokyostarbank.co.jp/products/deposit/en_time_deposit/enteiki_plus/index.html

2017年7月26日時点

金利:0.001%

3000万円の借入

  • 税引き前利息:3,000円
  • 税引き後利息:2,390円

5000万円の借入

  • 税引き前利息:5,000円
  • 税引き後利息:3,984円

となります。

検証結果の結論

金利上昇リスクを受け入れられる方が「変動金利」の住宅ローンを利用した場合

3000万円の借入 住宅ローンでのお得額:695,024円 + 定期預金利息:899,376円 = 1,594,400円
5000万円の借入 住宅ローンでのお得額:851,875円 + 定期預金利息:1,498,960円 = 2,350,835円

金利上昇リスクを受け入れられない方が「10年固定金利」の住宅ローンを利用した場合

3000万円の借入 住宅ローンでのお得額:344,614円 + 定期預金利息:899,376円 = 1,243,990円
5000万円の借入 住宅ローンでのお得額:259,743円 + 定期預金利息:1,498,960円 = 1,758,703円

東京スター銀行の預金連動を利用した場合

3000万円の借入 住宅ローンでのお得額:1,063,632円 + 定期預金利息:2,390円 = 1,066,022円
5000万円の借入 住宅ローンでのお得額:1,473,644円 + 定期預金利息:3,984円 = 1,477,628円

という結果です。

現金で住宅購入をするよりも、住宅ローンを利用して住宅を購入して、住宅ローン減税を受けることと、使わなくなった現金を定期預金に回すことで、100万円~300万円もお得になるのです。

現金での住宅購入を検討している方は、一旦思い直して住宅ローンの活用を検討しましょう。