doctor2128_128団信(団体信用生命保険)審査に落ちてしまった場合には、住宅ローンを利用することはできないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

団信審査に通らない方でも、住宅ローンを借りることは可能です。その方法について解説します。

対策その1.フラット35に申込む

「団信審査に落ちても住宅ローン借りられる可能性:100%」

フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している住宅ローンです。

通常、民間銀行の住宅ローンの場合には「団信加入」は必須要件になっています。というのも銀行は万が一契約者が死亡してしまった場合に融資した金額の回収ができなければ大きな損失を抱えてしまうことになるからです。また、住宅ローンというのは長期の借入になるため完済時の年齢が高いケースも多く、死亡リスクというのはかなり大きなものなのです。そのため、民間の銀行はほぼ100%「団信加入」が必須要件になっているのです。

しかし、フラット35はいわば国が提供している住宅ローンなので、「できるだけ多くの方に低金利で安心して借りてもらうこと」を目的としてい舞う。そのため、「団信加入」は任意加入であり、加入したい人だけが加入すれば良いということになっています。

団信の審査に通らない方でも、フラット35であれば利用できるのです。(※団信以外の理由でフラット35の審査が通らない可能性はあります。)

フラット35の場合、「団信加入」を希望しなければ団信の審査自体ありません。

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対策その2.ワイド団信「引受条件緩和型団体信用生命保険」に申込む

「団信審査に落ちても住宅ローン借りられる可能性:70%」

ワイド団信というのは通常の団信よりも、条件が緩和されていて保障範囲が広いものを言います。団信は基本的に契約者が死亡したときのみに保険金が支払われ、残りの住宅ローン返済が免除されるものですが、指定の病気になったら保険金が支払われる「三大疾病保障付団信」や要介護状態になったら保険金が支払われる「介護付き団信」などもワイド団信と呼ばれることがあります。

ここで取り上げるのは引受条件緩和型団体信用生命保険のワイド団信です。引受条件緩和型団体信用生命保険というのは読んで字のごとく、引き受け条件が緩和された団信のことです。

通常の団信よりも、審査が甘い団信 = 引受条件緩和型団体信用生命保険

です。「高血圧症」「糖尿病」「肝炎」など色々な症状で通常の団信に加入できなかった方でも、審査が通る可能性があるのが引受条件緩和型団体信用生命保険です。

ただし、無条件でというわけではなく、引受条件緩和型団体信用生命保険はその分保険料を多く納める必要があります。通常、民間銀行の住宅ローンの場合、団信の保険料は無料で銀行負担となっています。もちろん、実際にはこれは住宅ローン利用者の金利の利息分から捻出されているのですが、これとは別の保険料が必要になるのです。

保険料 = 適用金利に年0.3%上乗せ

です。金利に年0.3%が上乗せされると完済までの費用負担は200万円~300万円ほど増えることになります。団信が必要かどうか?上乗せ分の金利を考えたらフラット35の方が金利が低金利なのではないか?など十分に比較検討することをおすすめします。

対策その3.別の住宅ローンに申込む

「団信審査に落ちても住宅ローン借りられる可能性:40%」

「団信」は生命保険の一種です。生命保険の審査はその生命保険会社が保持している膨大なデータから「どのような状態になると何年後に死亡する率が高いのか?」を元に審査基準を決定しています。

生命保険会社によって、この保有しているデータも違えば、死亡リスクの考え方も異なります。団信の審査も生命保険会社によって審査基準が異なるのです。

住宅ローンを提供している銀行がどの生命保険会社に団信を引き受けてもらっているか?で団信の審査基準が異なるため、団信の審査に落ちた引受生命保険会社とは別の引受生命保険会社を採用している住宅ローンに申込むことで団信審査に通る可能性が出てくるのです。

2015年1月時点の主要銀行と引受生命保険会社

銀行引受生命保険会社
三菱UFJ銀行クレディ・アグリコル生命保険株式会社
みずほ銀行損害保険ジャパン日本興亜株式会社・第一生命保険株式会社
三井住友銀行住友生命相互保険会社
イオン銀行カーディフ保険会社
ソニー銀行クレディ・アグリコル生命保険株式会社
住信SBIネット銀行カーディフ保険会社
SBI新生銀行第一生命保険株式会社・太陽生命保険株式会社
楽天銀行カーディフ保険会社
地銀一般社団法人全国地方銀行協会(明治安田生命保険相互会社)

対策その4.団信とは関係のない生命保険を担保にする

「団信審査に落ちても住宅ローン借りられる可能性:40%」

団信とは関係のない生命保険の保険金を担保にすることで団信非加入でも住宅ローンを利用することができます。

そもそも、銀行としては団信加入を必須条件にしているのは、万が一契約者が死亡してしまった時に未回収になることを恐れているためなので、別の生命保険の保険金額が優先して住宅ローンの残債の返済にまわされるのであれば、問題はないのです。

そのため、別の生命保険でも、相談すれば銀行は生命保険の保険金を担保にすることを条件に融資をしてくれる可能性が高いのです。

団信の審査は通常の生命保険よりも審査は通りやすくなっていますが、商品によっては一般的な生命保険の方が加入条件が甘いものも多いのです。

注意しなければならないのは、生命保険の保険金の保険金額が融資額に満たない場合は担保不足として住宅ローンが利用できないケースがあります。また、担保にするということは契約者が万が一死亡してしまった場合にも、保険金は優先的に住宅ローン返済にまわされます。遺族が自由にすることはできなくなるため、注意が必要です。

対策その5.医師の診断書を沿えて提出する

「団信審査に落ちても住宅ローン借りられる可能性:20%」

団信審査の申込み時に、あらかじめ団信の審査が厳しそうということがわかっている場合(他の団信審査に落ちている場合)は、医師に症状が安定している旨を書いてもらった診断書を同時に提出する方法があります。

医師の診断書があれば、団信の審査にプラスに働く可能性もあるということなのです。

まとめ

団信の審査に落ちてしまった方でも

  1. フラット35に申込む
  2. ワイド団信「引受条件緩和型団体信用生命保険」に申込む
  3. 別の住宅ローンに申込む
  4. 団信とは関係のない生命保険を担保にする
  5. 医師の診断書を沿えて提出する

というような方法で住宅ローンを利用することが可能です。団信審査に落ちてしまったとしても、住宅ローンの利用をあきらめる必要はないのです。

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