目次
住宅ローンを比較検討する場合には、どのような手順を踏めばよいのでしょうか?
ここでは住宅ローンの比較検討の流れについて解説します。
住宅ローンを比較検討する流れ
1.住宅ローンの金利タイプを決める
2.該当する金利タイプで一番総返済額が安くなる住宅ローンを探す
3.住宅ローン独自のサービス・付加価値を確認する
4.総返済額と得られる独自の付加価値(メリット)で比較する
です。
1.住宅ローンの金利タイプを決める
住宅ローンには金利タイプというものが存在します。
メリットデメリットは以下の通りです。
金利タイプ | 変動金利 | 当初固定金利 | 全期間固定金利 |
---|---|---|---|
金利タイプの解説 | 変動金利は、景気動向に応じて適用される金利が半年に1回のペースで見直される金利タイプのことを言います。変動金利は短期プライムレートというものに連動し、不景気の時は金利が低く、好景気になると金利が高く設定されます。 | 当初固定金利は、はじめの数年間(2年~15年)は固定金利で一定の金利が設定される金利タイプです。数年間の当初期間が終了すると、変動金利に自動的に変わります。当初固定期間は景気が良くなっても、悪くなっても、金利の変動はありません。ただし、当初期間終了後は金利が高くなるのが一般的です。 | 全期間固定金利は、借入から完済までずーっと同じ金利が設定される金利タイプのことです。変動金利のような金利上昇のリスクがない代わりに設定されている金利が変動金利よりもはじめから高くなっています。 |
メリット | ・はじめに設定されている金利が低い ・景気が悪いままであれば返済総額は一番安くなる金利タイプ | ・当初期間の金利は低金利設定 ・借入直後の間は金利が低く、返済額が少ないので子育てや教育費などが必要な場合に有効な金利タイプ | ・景気が良くなっても金利は上がらない借入時のまま ・返済額が景気に左右されないため返済計画が立てやすい |
デメリット | ・景気が良くなると金利が上昇し返済額が増えてしまう ・返済額が景気に左右されるため返済計画が立てにくい | ・当初期間終了後の金利は高くなる ・当初期間終了後は金利上昇リスクが発生する | ・はじめに設定されている金利が高い ・景気が悪いままであれば返済総額が一番高くなる金利タイプ |
おすすめの方 | ・景気が良くならないと考える方 ・返済に余裕がある方 ・短期間での完済を検討している方 ・繰り上げ返済を活用する予定の方 ・ネット銀行の住宅ローンを希望する方 | ・借入直後の数年間に支出が大きくなる方 ・変動金利よりも金利上昇リスクを抑えたい方 ・全期間固定金利より金利の低さを重視する方 ・ネット銀行の住宅ローンを希望する方 | ・景気が良くなると考える方 ・返済に余裕がない方 ・長期間での完済を検討している方 ・返済計画をきちんと立てたい方 ・フラット35を希望する方 |
おすすめ住宅ローン | 変動金利ランキング | 当初固定金利ランキング | 全期間固定金利ランキング |
まずは、自分の返済計画には、どの金利タイプが良いのか?を決める必要があります。
というのも、A銀行の変動金利とB銀行の当初固定金利で比較しても、正確に比較ができないからです。
はじめに金利タイプを決めて、その中で一番条件が良い住宅ローンを選ぶ必要があるのです。
2.該当する金利タイプで一番総返済額が安くなる住宅ローンを探す
金利タイプが決まれば、後はその金利タイプの中で住宅ローンを比較することになります。
ここで注意すべきなのは
金利が低いから総返済額が一番安い(一番お得)というわけではない
ということです。
金利が低くても、諸費用が高ければ、総返済額は高くなってしまいますし
はじめの金利が低くても、当初期間終了後の金利が高ければ総返済額は高くなってしまいます。
見た目の金利で比較してはいけないということなのです。
住宅ローンを比較する場合には、
金利も、諸費用も、重要であることには変わりはないのですが、あくまでも総返済額で比較すると言うことを覚えておきましょう。
総返済額がいくらになるのか?は当サイトのシミュレーターでも計算できますし、各銀行が提供している住宅ローンシミュレーターでも試算することができます。
3.住宅ローン独自のサービス・付加価値を確認する
住宅ローンは低金利競争が激化してしまい、金利の引き下げがこれ以上できない段階に来てしまっています。
そのため、各銀行とも、住宅ローンの金利を引き下げるのではなく、独自のサービスを提供することでプラスαのメリットを用意してくれているのです。
例えば
SBI新生銀行 → 要介護時に住宅ローン返済免除、家事代行サービスの利用クーポン
住信SBI銀行 → 全疾病保障無料付帯
イオン銀行 → イオンでの買い物5年間5%OFF
・・・
これらのサービスは金銭的価値に換算するのが難しく、人によってありがたいと感じるサービスであっても、他の人から見ると全く意味がないサービスにもなってしまうのです。
総返済額で比較した後は、住宅ローンごとの独自のメリットを確認して、自分にメリットがあるものかどうかをチェックする必要があるのです。
4.総返済額と得られる独自の付加価値(メリット)で比較する
最後に
算出した総返済額と住宅ローン独自のサービスの価値を確認して比較検討しましょう。
ここで注意すべきポイントは
住宅ローンはお金を借りるサービスなので、銀行であればどの銀行で借りたとしても、大きな違いはないと言うことです。「メガバンクでないと不安」という方もいますが、預金するのであれば倒産のリスクを考えることも重要なのですが、お金を借りる側であれば倒産のリスクを考える必要もありませんので、信用度で住宅ローンを選ぶ必要はないのです。
純粋に総返済額と独自サービスの価値で比較することをおすすめします。
まとめ
基本的には前述の流れで住宅ローンを比較することをおすすめしますが
当然、調べていく中で
「やっぱり金利タイプを変えたい」
「他の銀行の住宅ローンも調べてみたい」
・・・
と判断が変わってくることもあるかと思います。
それ自体は悪いことではありませんので何度でも手順を繰り返して構わないのですが、最終的には「総返済額と独自サービスの価値で比較する」ということが大切なのです。