住宅ローンには「疾病保障」というものがあります。非常に魅力的な「疾病保障」なのですが、ここにも注意が必要なのです。
住宅ローンの「疾病保障」とは
住宅ローンの疾病保障というのは、死亡時に住宅ローンの残債が保険金によって全額返済され、マイホームが遺族のものになる団体信用生命保険(団信)が病気になった時に適用されるものです。
例えば
三菱UFJ銀行の「7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン」の保障内容は
- ガン、脳卒中、急性心筋梗塞
- 高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変
の症状になってしまった場合に
- 30日間の免責期間を超えて継続した場合 ローン返済額が保険金で支払われる
- 30日間の免責期間を超えて1年間継続した場合、住宅ローン残高が0円になる
- 特約に入っていれば一時金100万円が支払われる
というものです。
病気になった時にも、団信のように住宅ローン残高が0円になるため、非常に住宅ローン利用者にとっては魅力的な保障なのです。
「病気になって仕事を辞めなければならなくなってしまって、住宅ローンが払えず、泣く泣くマイホームを手放す」
というリスクを回避してくれるのです。
何が問題なの?
では、この魅力的な疾病保障は何が問題なのでしょうか?
疾病保障の問題点
- 「有料」
- 「有料であることがわかりにくい」
- 「高い」
- 「いくらかわからない」
ということなのです。
住宅ローンのウェブサイトには、あたかも「疾病保障がうちの住宅ローンにはついていますよ。」というように表示されていて、有料であることは小さくしか載せていないのです。
これでは「無料付帯」と勘違いして疾病保障に入ってしまう可能性があるのです。
また、「疾病保障は」結構な高い費用になっています。
相場では
疾病保障の保険料=金利に0.3%上乗せ
という保険料になっています。
0.3%というのは
- 4000万円 35年ローン金利 1.0% → 2,385,009円
- 3000万円 35年ローン金利 1.0% → 1,788,757円
- 2000万円 35年ローン金利 1.0% → 1,192,505円
と平気で100万円を超えてくる費用なのです。
さらに悪質な住宅ローンの場合には
「疾病保障の保険料は別途当行が定める保険料が発生します。」
とだけ書いてあって、安く見える毎月の保険料の返済額のシミュレーションしか載せていないケースもあるのです。
毎月の保険料が30歳のときに1,000円~2,000円だとしても、完済まで計算していくと大きな費用負担になってしまうのです。
ここに住宅ローンに詳しくない方が騙されてしまう落とし穴があるのです。
例外もある「無料の疾病保障」
9割以上の銀行の住宅ローンは疾病保障は有料になっています。
しかし、一部例外があります。
住信SBIネット銀行の住宅ローンです。
住信SBIネット銀行の住宅ローンはネット銀行の中ではそこまで低金利の住宅ローンというわけではないのですが、その代わりに疾病保障がはじめから無料で付帯されているのです。
有料の疾病保障と比較すると条件がやや厳しい設定になっていますが、それでも無料で付帯されていることには大きなメリットがあるのです。
疾病保障を付けたい方には有力な選択肢と言えます。おすすめです。
まとめ
住宅ローンの疾病保障は
- 有料であること
- 100万円を超える費用負担が発生すること
を覚えておきましょう。
疾病保障を込で住宅ローンを比較する場合には、保険料がいくらになるのか?自分自身で試算して、住宅ローンの返済総額に加算したうえで比較する必要があるのです。