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住宅ローン控除、住宅ローン減税を受けている方が、住宅ローンの借り換えをした場合、住宅ローン減税(住宅ローン控除)はその後どうなってしまうのでしょうか?今回は住宅ローン借り換え後の住宅ローン減税(住宅ローン控除)について解説します。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)とは?
住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、一定条件をクリアしている所得税が安くなる制度のこと
を言います。政府の景気対策であり、住宅ローンを借りて住宅購入をする人を増やすための政策のひとつです。景気は不動産市場にけん引されることが多く、不動産市場を活発化させるために作られた制度であり、2016年時点では継続されている政策のひとつになります。期日が決まっていますが、景気が好景気になっていない現状だと、延長に次ぐ延長をせざるを得ない政策となっています。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)の概要
住宅ローンの借入残高の1.0%を所得税から控除できる
※居住年 26年4月~6月の場合は各年の控除限度額は一般住宅の場合、40万円となっています。
4000万円の住宅ローンを組んでいる方は、1年目は40万円も税金が戻ってくる計算となるのです。
住宅ローン減税は10年間継続できる
住宅ローン減税は居住年から10年間継続できる減税政策です。4000万円の住宅ローンを組んでいる方の場合、1年ごとにローン残高は減っていくので、40万円×10年ということにはなりませんが、300万円ぐらいは税金が安くなるのです。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)が適用される条件
- 住宅を取得してから6カ月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで住んでいること
- 10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入・新築した方(一定の増改築等を含む)
- 床面積50平方メートル以上
- 中古住宅取得の場合、築20年以内又は耐震基準をクリアしていること
- 控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下
つまり、住宅ローン減税はほとんどの方が簡単にクリアできる条件となっています。
住宅ローン借り換えは住宅ローン減税とは全く関係がない!
住宅ローン減税(住宅ローン控除)というのは、国の政策です。
つまり、お役所仕事ですから「住宅ローン減税を適用するかどうか?」は個人の主観で判断されるものではなく、「適用条件をクリアしているかどうか?」だけなのです。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)の適用条件の中には
「借りている銀行を変えてはいけません。」
なんて記載はありません。
つまり、
借り換えをしようがしまいが・・・
借入中の銀行が変わろうが・・・
住宅ローン減税(住宅ローン控除)には全く関係はないのです。
結論
住宅ローンの借り換えをしても、適用条件さえクリアしていれば住宅ローン減税(住宅ローン控除)は続けて受けることができる
のです。
不安になる必要はありません。
ただし、借り換えであることがあきらかでなければならないので、新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものである必要があります。
住宅ローン借り換えによる住宅ローン減税(住宅ローン控除)の注意事項
借り換え時点から再び10年がカウントされるわけではない!
住宅ローン減税(住宅ローン控除)は、居住を開始した年から10年間減税が受けられる制度です。
前述した通りで、借り換えは全く住宅ローン減税(住宅ローン控除)に影響を与えないので
借り換えした年から10年になるわけではないのです。
「トータルで10年間」です。
借り換えをしても、しなくても、住宅ローン減税を受けられるのは10年間であることは変わらないのです。
借り換えをすれば住宅ローン減税がそこから再び10年がカウントされるのであれば、みんなずっと借り換えをし続けて減税を受け取りつづけてしまいます。当然、こんなことはできないのです。
借り換え後に住宅ローン残高が増えても、控除額は増えない
借り換え後に住宅ローン残高が増えてしまう場合には、控除額の計算に注意が必要です。
借り換えの場合には、新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかでなければなりません。
通常は、借り換えで「ローン残高=借入額」が増えてしまうということは起こりえないのですが、諸費用やリフォーム費用など、プラスαで借り換え先の銀行から借りる場合もあります。
この場合は、プラスαの部分は除いた住宅ローン残高に対して、控除額が計算されるのです。
借り換えの時に「リフォーム費用など多めに借りておけば、控除額が大きくなる」というわけではないので、注意が必要です。
借り換えで適用条件がクリアできなくなることに注意!
前述した通りで
住宅ローンの借り換えをしても、適用条件さえクリアしていれば住宅ローン減税(住宅ローン控除)は続けて受けることができます。
「適用条件さえクリアしていれば」の部分が、借り換えによって崩れてしまうケースもゼロではありません。
例えば、当初は住宅ローンを10年間のローンで借り入れをした場合に、適用条件の10年をクリアしているので住宅ローン減税は適用されます。借り換えの時に返済期間を短縮してしまって、当初借り入れ時からのトータルで10年を切ってしまう場合には、適用条件から漏れてしまうのです。こうなれば住宅ローン減税は対象外になってしまいます。
借り換えをする場合には、借り換えの仕方によって適用条件から外れてしまうケースもゼロではないため、今一度住宅ローン減税(住宅ローン控除)の適用条件を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
住宅ローンの借り換えをしても、適用条件さえクリアしていれば住宅ローン減税(住宅ローン控除)は続けて受けることができます。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)に対しては借り換え後でも問題なく継続できるので、不安なく借り換えを実行することが可能です。