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ペアローンは夫婦共働き世帯で夫婦の収入合算ができ、住宅ローンで借りられる金額が増える借り方のひとつです。大きなメリットがある反面、注意しておかなければならないポイントもあるのです。今回は「ペアローンを組む前に最低限チェックしておくべきポイントと注意点」について解説します。
注意点その1.共働きは継続できますか?
ペアローンの最大のリスクは、共働きの継続ができなくなる可能性です。
夫:年収300万円
妻:年収300万円
の共働き世帯の場合
夫のみで借りる
- 年収の6倍:1800万円、毎月の返済8万円
夫婦で借りる
- 夫:年収の6倍:1800万円、毎月の返済8万円
- 妻:年収の6倍:1800万円、毎月の返済8万円
合計:3600万円。毎月の返済16万円
共働きが継続できるのであれば、月50万円の世帯収入ですので、3割強の16万円の返済は問題なく、継続できるでしょう。
しかし、
- 子供が生まれて働けなくなった。
- どちらかが病気になってしまった。
- 産休後の職場復帰が難しい。
- どちらかの会社が倒産してしまった。
- 親の介護が必要になった。
・・・
と長い人生の中には、予想していなかった状況が起こる可能性があるのです。
前述した例の場合、どちらかが働けなくなってしまえば
月25万円の世帯収入で16万円の住宅ローン返済をしなければなりません。
残った9万円で生活費、教育費等をやりくりしなければなりません。
これはかなり難易度の高い返済負担率なのです。
共働きが住宅ローンの返済期間中継続できることを再度確認しておく必要があります。また、仮に「共働きができなくなった場合、どう対処するのか?」も事前に相談しておく必要があります。
選択肢としては
- 苦しくても2人分の返済を継続する
- マイホームを売却して賃貸に移る
- マイホームを売却して安い中古物件を買う
- 住宅ローンの借り換えでローンを一本化する(さらに長期の返済になる)
等があります。
注意点その2.離婚はしませんか?
今や熟年離婚が珍しくなく、3割の家庭が離婚を選択するとも言われています。
平成27(2015)年度「人口動態統計調査」
- 婚姻件数:57万5743件
- 離婚件数:20万6205件
ペアローンのやっかいなところは、夫婦がともにマイホームの所有者(持分割合)になり、お互いに連帯保証人になっていることなのです。
離婚協議をしながら、解決していくのですがここで揉めることも少なくないのです。
- どちらがマイホームに住み続けるのか?
- マイホームは売却するのか?
- ペアローンの支払はどちらが継続するのか?
- 名義はどちらのものにするのか?
後々揉めてしまう要素が多分にあるのです。
住宅購入をするというハッピーなタイミングで事前に離婚後の話をするのは難しいことなのかもしれませんが・・・
重要なことですので「仮に婚姻契約が継続できなくなってしまった場合。どう対処するのか?」を決めておく、書面に残しておくことをおすすめします。
例えば
- 夫の名義にして、ペアローンも解消し、夫のみが返済を続ける
- 妻の名義にして、ペアローンも解消し、妻のみが返済を続ける
- 物件を売却して住宅ローンを完済し、残りを持分割合に応じて分ける
- 妻が住むが、共有名義のまま、ペアローンはお互いに支払い続ける
などです。未来の状況は予測できないものの、大枠の方針をすり合わせておくことは重要なことなのです。
注意点その3.本当にその物件が必要ですか?
元も子もない聞き方になってしまいますが・・・
夫:年収300万円
妻:年収300万円
の共働き世帯の場合で
夫:年収の6倍:1800万円、毎月の返済8万円
妻:年収の6倍:1800万円、毎月の返済8万円
合計:3600万円。毎月の返済16万円
とめいいっぱい借りた場合には、収入減に対するリスクが2倍になってしまうのです。
離婚するわけでなくても
- 病気になる
- 会社が倒産する
- 会社をクビになる
- 減給になる
・・・
というリスクが夫婦ともに発生するのです。
夫のみで借りていたのであれば、夫の収入が減少したときに、妻が働いてカバーすることができます。
しかし、ペアローンでは共働きの収入をベースにしているため、夫の収入減を妻がカバーすることは難しいのです。
収入合算で借りられる金額が大きくなると、借りられる金額めいいっぱいでいい物件を購入したくなる気持ちもわかりますが・・・
一歩踏みとどまって「本当にその価格の物件が必要なのか?」考えてみることをおすすめします。
収入合算をしたとしても、借りられる金額が最大で3600万円だとしたら、2500万円~3000万円に抑えて、妻の返済余力には余裕をお持たせておくということも賢い考え方だと言えます。
まとめ
ペアローンは夫婦の収入を合算して、住宅ローンを借りられる住宅ローンの借り方ですが
- 収入減リスク
- 離婚リスク
が夫婦どちらか1人で借りる住宅ローンよりも増えてしまうのです。ペアローンで借りる前に今一度、万が一のときの対策を夫婦で相談し、決めておくことをおすすめします。