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住宅ローン借り換えとは一体何を意味するのでしょうか?ここでは住宅ローン借り換えの全体像を解説します。
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換え(借り替え)とは
借入中の住宅ローンを別の金融機関の住宅ローンに移すこと
を意味します。
3000万円の住宅ローンをA銀行から借りていた場合にB銀行に住宅ローンを移すことができるのです。
これが住宅ローンの借り換えです。
「しかし、なぜ銀行の預金を動かすかの如く、住宅ローンを移動させることができるのでしょうか?」
住宅ローンの借り換えは「新規で借りて完済しているだけ」
住宅ローン借り換えを分解すると
A銀行 住宅ローン残高 3000万円
↓借り換え
B銀行 住宅ローン残高 3000万円
というのは
- B銀行 住宅ローン新規借り入れ 3000万円
- 借りた3000万円でA銀行に完済
- A銀行 住宅ローン残高 0円
- B銀行 住宅ローン残高 3000万円
ということをしているのです。
借り換え先のB銀行にお金を借りて、借入中のA銀行の住宅ローンを完済することで、ローンが移行したことになるのです。
「完済してはいけませんよ。」なんて契約はありませんので、借入中のA銀行の意向がどうであろうと、借り換え先のB銀行の住宅ローン審査に通りさえすれば借り換えが実行できることになります。
住宅ローン借り換えの最大のメリットは返済額の軽減
「では、なぜこんな面倒なことをして借り換えを実行するのでしょうか?」
住宅ローンの金利というのは、経済情勢・景気動向によって変動します。
10年前に新規借り入れをしたときの金利と10年後の現在では、住宅ローン金利が大幅に変わっている可能性があるのです。
また、10年経過すれば、新規参入してくる銀行も増え、銀行間の競争も激化するため、新規借り入れ時にはなかった低金利の住宅ローンが登場している可能性もあるのです。
金利が高い住宅ローン → 金利が低い住宅ローン
に借り換えると、適用金利が低金利になるので「利息」「毎月の返済額」「総返済額」が軽減できることになります。
つまり、低金利の住宅ローンに借り換えができれば
- 利息軽減
- 毎月の返済額の軽減
- 総返済額の軽減
が実現できる可能性が出てくるということなのです。これが住宅ローン借り換えの最大のメリットです。
例
現在借入中の住宅ローン金利 1.2% 残高:3000万円 残り返済期間20年の方が
住宅ローン金利 0.539% の住宅ローンに借り換えた場合
- 借り換えしない場合の総返済額:33,112,320円
- 借り換え後の総返済額(諸費用込):32,470,640円
- 借り換えメリット:641,680円
- 借り換えしない場合の毎月の返済額:137,968円
- 借り換え後の毎月の返済額:131,886円
- 借り換えメリット:6,082円お得
となります。
つまり、このケースでは住宅ローンを低金利の銀行に借り換えることで、約64万円もお得になり、毎月の返済額も約6000円返済負担が軽減されることになるのです。
住宅ローン借り換えにはデメリットはないの?
大きく分けて2つのデメリットが存在します。
デメリットその1.借り換えのときに諸費用が再び発生すること
住宅ローンの新規借り入れ時にはいろいろな諸費用が発生したかと思います。
- 保証料
- 事務手数料
- 抵当権設定費用
- 印紙税
- 司法書士報酬
・・・
などです。
住宅ローン借り換えでは、住宅ローンを移行することになります。住宅ローンを移行するということは、借り換え先の銀行とは新しく契約をすることになるので、事務手数料も発生しますし、抵当権設定ももう一度やり直すため、抵当権設定費用や司法書士報酬、印紙税も再び発生することになります。
新規借り入れ時に数十万円の諸費用が発生したかと思いますが、同じぐらいの諸費用が借り換え時には再び必要になるのです。
当然、借り換えの金利差による返済額軽減メリットがあっても、それ以上に諸費用負担が大きければ借り換えをする意味がないのです。
借り換えの金利差による返済額軽減メリット > 借り換え時の諸費用
最低でも、この状態でなければ借り換えをするメリットはないのです。
デメリットその2.もう一度住宅ローン新規借り入れ時と同じ作業が必要になる
住宅ローンは、人生で一番高額な買い物と言われるように色々な書類を用意する必要が出てきます。
- 本人確認書類
- 所得証明関係書類
- 物件関係書類
- その他
です。いろんな役所に行ったり、会社に依頼したり、申込み諸lを用意したり・・・と新規借り入れ時を思い出していただければ、かなり面倒だったのではないでしょうか。
住宅ローン借り換えでは同じ作業をもう一度やらなければなりません。時間や手間がかかるのです。
仮に住宅ローンの借り換えメリットが10万円だとしたら、同じ手間をかけてまで借り換えしようと思うでしょうか?
借り換えの手間というのも、借り換えを行うかどうかの重要な判断基準になるのです。
まとめ
住宅ローンの借り換えとは
借り換え先の銀行から現在借入中の住宅ローン残高の完済費用を借りて、住宅ローンを移行すること
を意味します。
メリット
- 返済額の削減メリット
デメリット
- 諸費用の発生
- 再度の申込みの手間の発生
があるので、メリットデメリットのバランスをシミュレーションしながら、慎重に比較検討をすべきものなのです。
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