graphline128_128住宅ローンの金利というのは、毎月変動するものです。

固定金利を選択していれば、住宅ローン利用中の適用金利は変動しないのですが、固定金利を借りるための基準になる金利というのは毎月変動しています。変動金利であれば言うまでもなく、毎月金利が変動し、返済する場合の適用金利も見直しは半年ごとですが基準金利は毎月変動するものなのです。

住宅ローンの今後の金利がどうなるか?予想するためには、住宅ローン金利がどうやって成り立っているか?を知る必要があるのです。

住宅ローンの金利を知る前に銀行のビジネスモデルを知る

銀行のビジネスモデル

低金利で資金を調達(日銀からの借入、預金)

調達金利よりも高い金利で資金を貸付(住宅ローン、カードローン、自動車ローン、教育ローンなど)

利ザヤ(金利の差)が収入

収入から人件費などのコストを除いたものが利益

という仕組みになっています。

安く借りて、高く貸すのが銀行の主な仕事

なのです。

貸し倒れリスクと金利は比例する

銀行がお金を貸すサービスを提供するときには、必ずと言っていいほど「審査」をします。

なぜならば、貸し倒れ(お金が返ってこない状態=返済されない状態)を防ぐためです。

審査をしていても、貸倒は発生するのですが貸し倒れリスク(貸し倒れ率)と金利というのは比例するのです。

  • 無担保だから貸し倒れしやすいカードローン → 金利が高い
  • 担保があり住宅を売却すれば良い住宅ローン → 金利が低い

という仕組みになっています。

住宅ローンの場合は、担保があるからこそ金利が低く提供されているのです。

住宅ローンの金利は調達金利によって変わってくる

住宅ローンは貸し倒れリスクが少ないので低金利で提供されているものですから

調達金利の水準に大きな影響を受けることになります。

仕入れるお金の金利が高くなってしまえば、住宅ローン金利もそれに利ザヤ分をプラスしたものになるので高くならざるを得ないからです。

銀行が資金を調達する方法の一番大きなものは「銀行の銀行」と呼ばれる日銀からの借入なのです。

日銀から借りたお金を少しだけ利ザヤをのせて住宅ローンとして貸している

というのが住宅ローンのお金の流れなのです。

住宅ローンの金利というのは、日銀からの借入金利に連動するのです。

日銀からの借入金利=公定歩合(政策金利)と呼ばれるもので、下記のグラフを見てもわかるとおり、公定歩合と銀行の変動金利というのはきれいに同じような推移をしているのがわかると思います。

日銀からの借入金利=公定歩合(政策金利)はどうやって決まるのか?

住宅ローン金利が日銀からの借入金利=公定歩合(政策金利)に連動するのであれば、日銀からの借入金利=公定歩合(政策金利)が決まる仕組みがわかれば金利動向を予想することができます。

日銀からの借入金利=公定歩合(政策金利)は、景気に連動する

のです。

なぜなら、日銀は政府の意向をくみ取って公定歩合(政策金利)を決めることになります。

景気が悪いときは、公定歩合(政策金利)を引き下げて、民間銀行が低金利で企業に融資できる環境を整えます。企業が低金利で資金調達ができれば、設備投資などに積極的になり、経済活動の活発化やインフレを誘導することができるからです。

逆に景気が良いときには、公定歩合(政策金利)を引き上げて、景気の過熱を抑制します。そうしないとバブルのときのようにインフレが加速して、はじけてしまうからです。

公定歩合(政策金利)は景気に連動するのです。

2015年現在はアベノミクスの効果もあって、株価や物価は上昇傾向ですが、景気は回復していないと判断されていて、公定歩合(政策金利)の金利が0.1%前後のゼロ金利政策が行われています。このゼロ金利政策は10年以上続いているのですが、この結果として住宅ローンの超低金利が続いているのです。

  • 景気が良くなれば住宅ローン金利が上がる
  • 景気が悪くなれば住宅ローン金利が下がる

ということなのです。

景気動向は予想できるのか?

実際には景気がどうなるのか?は経済の専門家でも、株式投資のプロフェッショナルでも、簡単に予測できるものではありません。

それほどまでに色々な事象が絡み合っているのです。

住宅ローンの金利予想も決して簡単ではないことを意味しているのです。

金利がどうなるのか?は非常に重要な住宅ローン比較のポイントにもなりうるのですが、金利が上昇しても対応できるように住宅ローンを利用するのが一番重要なことなのです。

住宅ローンの金利予想をする際には景気動向を予想すれば良いのですが、それは難易度が高いものであることを覚えておきましょう。