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消費者金融のキャッシングサービスや銀行のカードローン、クレジットカードのキャッシングを返済中の方も多いかと思います。
この場合、住宅ローン審査にはどのような影響があるのでしょうか?ここでは消費者金融キャッシング・カードローン返済中の方の住宅ローン審査への影響について解説します。
返済遅延がなければ審査に大きな影響はない
「消費者金融のキャッシングサービスや銀行のカードローン、クレジットカードのキャッシングを利用していると、住宅ローン審査には通らないのではないのか?」
と不安になる方も多いのですが、「消費者金融のキャッシングサービスや銀行のカードローン、クレジットカードのキャッシングを利用していること」が住宅ローン審査にマイナスの影響があるわけではありません。
期日通りに返済している方は、ローンの返済実績があるという見方もできますし、同じ銀行であれば、住宅ローン利用でカードローン金利優遇という銀行もあるぐらいなのです。
消費者金融のキャッシングサービスや銀行のカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用自体は住宅ローン審査にマイナスになることはありませんが、下記に挙げる3つのポイントは住宅ローン審査に大きな影響を与えるので注意が必要です。
- 「返済負担率」が悪化する
- 「返済遅延」があると審査の評価が下がる
- 「返済事故」があると審査が通らない
それぞれについて細かく解説していきます。
住宅ローン審査での「返済負担率」が悪化する
住宅ローンの返済負担率というのは
返済負担率 = 年間の返済額 / 年収
で表されます。「返済負担率」は住宅ローン審査において重要な役割を持っているのです。
住宅ローン審査基準をデータから徹底解明!基準別の審査対策も解説
住宅ローンで月10万円(年間120万円)の返済をする方が年収400万円の場合
返済負担率 = 120万円 / 400万円 = 30%
ということになります。返済負担率は住宅ローン審査では35%以下であれば問題なしと判断されるため、この状態であれば審査通過の可能性は高いのです。
しかし、ここに「消費者金融キャッシングでの返済が毎月2万円あります」ということになると・・・
返済負担率は、年間24万円分ブラスして計算することになります。
返済負担率 = (120万円 + 24万円) / 400万円 = 36%
です。住宅ローン審査基準の35%をオーバーしてしまっているので、銀行によっては審査に通らないことになってしまうのです。
返済負担率は、「収入に対してローン返済の割合がどのくらいになるのか?」を見る指標です。住宅ローンだけでなく、キャッシングやカードローンのローン返済額も含めて計算しないと意味がないのです。当然、住宅ローン審査では住宅ローン以外のローン返済も合算して、返済負担率が計算されます。
キャッシングやカードローンのローン返済額分、返済負担率が悪化することになるのです。
返済負担率が許容範囲内に納まっていれば、住宅ローン審査への影響はありませんが、許容範囲ギリギリになっていた場合には、住宅ローン審査が通らない可能性も出てくるのです。
「返済負担率の悪化」による住宅ローン審査落ち対策
返済負担率を下げる
返済負担率がキャッシングやカードローンのローン返済額分、悪化する(上昇する)のであれば、返済負担率を引き下げる必要があります。返済負担率を引き下げるためには
- 借入額を下げる
- 年収を上げる
の2つの方法があるのです。年収をすぐに上げるというのは現実的ではないため、借入額を下げることが有効な選択肢になります。
借入額を下げる方法
- 頭金・自己資金を増やす
- 物件の予算を下げて、借入額を減らす
方法があります。
「返済遅延」があると住宅ローン審査の評価が下がる
キャッシングやカードローンの利用があること自体は問題ではありません。
しかし、キャッシングやカードローンの利用で過去に返済遅延があると話は大きく変わってしまいます。
住宅ローンの審査担当者がチェックする個人信用情報には利用中のキャッシングやカードローンの返済履歴が24か月分掲載されているため、返済遅延があると住宅ローン審査にはマイナスの影響があるのです。
銀行側はキャッシングやカードローンの返済が遅延がある場合、「うちの住宅ローンの返済も滞るんじゃないの?」と勘ぐってしまうのです。
複数のクレジットカードやキャッシングやカードローンを利用していれば、口座振替の引き落とし口座への入金漏れなども、うっかりミスであるため
返済遅延が年1回程度であれば許容範囲
と考えられるのですが
年に2回以上の返済遅延があると住宅ローン審査にはマイナスの評価になる
のです。これが理由で住宅ローン審査が絶対通らないということではありませんが、審査の評価上はマイナスの影響があるのです。
「過去の返済遅延」による住宅ローン審査落ち対策
個人信用情報には直近24か月分の返済履歴が掲載されます。
逆に言えば、2年前の情報から徐々に抹消されていくことを意味します。20か月前に返済遅延をしていたら、後4か月でその情報はクリアになるということなのです。
いつ返済遅延を起こしているのかは?自分で調べることが可能です。
返済遅延がクリアになることを待ってから、再度住宅ローンに申込めば良いのです。
「返済事故」があると住宅ローン審査に通らない
「返済事故」は「返済遅延」とは違って、住宅ローン審査にはほとんど通らなくなってしまいます。
「返済事故」というのは
- 自己破産(債務整理)
- 61日以上の返済遅延
- 保証会社の代位弁済の実行
を意味します。
2ヶ月以上返済をしなかったり、自己破産などで借金を返さずにゼロにしていたり、返済遅延が悪化したため保証会社が代わりに銀行に返済する「代位弁済」を行っていたりすると・・・個人信用情報に「異動」という記しがつくことになります。
「異動」があると住宅ローン審査にはほぼ通らないのです。
貸し倒れの過去があると銀行側が判断するため、当然また繰り返す可能性が高いので貸さないというジャッジになるのです。
「過去の返済事故」による住宅ローン審査落ち対策
「異動」にも時効があります。これは信用情報機関によって異なるのですが、消費者金融(保証会社)などが利用するCICであれば5年、銀行が利用するKSCであれば10年(破産) or 5年が経過すると「異動」情報も抹消されることになります。
「異動」が消えてから住宅ローンに申込むことで、住宅ローンが利用できるようになります。
まとめ
消費者金融キャッシング・カードローン返済中の方の住宅ローン審査への影響というのは
返済負担率が悪化する
ことが挙げられます。
正常に返済を行っているのであれば、これだけです。
しかし、過去に「返済遅延」「返済事故」がある場合は住宅ローン審査にはマイナスの影響があります。
「返済遅延」「返済事故」がある場合で、住宅ローン審査に落ちてしまったのであれば、「返済遅延」「返済事故」が個人信用情報から消えるのを待って、もう一度住宅ローンに申込み直す方法をおすすめします。
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- カードローン, クレジットカード, 住宅ローン審査, 消費者金融キャッシング