「親が自己破産をしているのですが、住宅ローン審査には影響はないのでしょうか?」という質問を受けることがあります。
確かに、本人が自己破産をしていた場合には最長で10年間は官報に記載されるとともに、個人信用情報にも登録されてしまうため、住宅ローン審査に通らないケースが多いのですが、親の自己破産の場合にはどうなるのでしょうか?
親の自己破産や債務整理で住宅ローン審査に落ちるのか!?
「落ちる可能性は高い!」のです。
銀行や住宅ローン審査を行う保証会社は、個人信用情報を照会することで、申込者のローンサービスの利用情報、利用履歴をチェックして審査をします。
このときに自己破産や債務整理、61日以上の返済遅延があると「異動」という記しが個人信用情報に記載されるので、これがあるとブラック扱いになってしまい、ほぼ住宅ローン審査が通らなくなってしまうのです。
しかし、原則は個人信用情報というのはその人だけの情報です。「親が誰とか?」「弟が誰とか?」いう情報は個人信用情報には記載されません。
じゃあ、なぜ審査に落ちてしまう可能性があるのか?というと銀行や保証会社の審査担当者は、個人信用情報を調べるときに「名前」でも当然検索するのですが、「住所」でも検索することがあるのです。
当然、住所で検索すればその家に住んでいる人でローンサービス、クレジットカードを利用している人はすべて一覧に出てきます。
これを見れば、明確に親かどうかはわかりませんが、年齢からみれば親である可能性が高い同じ苗字の方が出てくるのです。
もちろん、親の個人信用情報に問題がなければ、何も問題はないのですが、親が自己破産している場合などがあると、子供の住宅ローン審査にも悪影響が出てしまうのです。
なぜ、親が自己破産していると住宅ローン審査に落ちてしまうのか?
基本的には親と子供が連帯保証人などになっていなければ関係ないことなのですが、例えば、子供の収入の中から親の生活費を多めに支払はなければならない状況であったり、親の借金を代わりに返済しなければならない状況に追い込まれている可能性がでてきてしまうからなのです。
住宅ローン審査では返済負担率というものが重要視されます。これは収入のうちのローン返済の割合が何%を占めるのか?という指標ですが、収入のうちの多くを親に取られている状態だとしたら、本来の意味での返済負担率はかなり高くなってしまうことが想定されます。
これを敬遠して、住宅ローン審査の担当者は審査に落とすこともあるのです。
親と同じ住所の場合、住所から同居している親の個人信用情報がチェックされてしまい、本人の住宅ローン審査が落ちてしまう可能性がある
ということなのです。
どうすれば回避できるのか?
親が自己破産をして10年経っていない場合に、子供が住宅ローンを組むことはできないのでしょうか?
そんなことはありません。
前述したように、自己破産した親と同じ住所で申込むと住所から親の自己破産の情報が、審査担当者にばれてしまうのですが、逆に言えば、一人暮らしをして家を出てから住宅ローンに申込めば、住所が違うので親の自己破産の情報はばれる可能性がほとんどないのです。
本審査時に提出する健康保険証や印鑑証明で戸籍を辿れば、親の情報を特定することぐらいはできますが、住宅ローン審査ではそこまではしません。あくまでも、個人信用情報で検索されなければ大丈夫なのです。
まとめ
親が自己破産や債務整理、61日以上の返済遅延をしていることが理由の可能性が高く、そのことで住宅ローン審査に通らない、審査に落ちてしまうということが続いてしまうのであれば、住宅ローン申込みのときの住所を親の住所とは違う住所で申込むという方法を試してみましょう。