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「住宅ローンの借り換えを同じ銀行ですることはできないのか?」と思う方は多いと思います。
- 以前借りたときよりも同じ銀行の住宅ローン金利が高くなっている
- でも、また借り換えで諸費用を払うのがイヤ
- でも、借り換えをするのは面倒くさい
という方は「住宅ローンの借り換えを同じ銀行ですることはできないのか?」と思ってしまうかと思います。
同じ銀行の借り換え方法を解説します。
住宅ローン借り換えは同じ銀行でできるのか?
結論:原則できません。
同じ銀行で金利が高いときに借りたものを、現在の金利が低金利の状態の住宅ローンに借り換えるということはできないのです。
なぜ、できないのか?
住宅ローンの借り換えとは
借り換え先の銀行からお金を借りて
そのお金で現在借入中の住宅ローンを完済して
結果的に債務が借入中の銀行から、借り換え先の銀行へ移ること
を言います。
仮に同じ銀行内で違う住宅ローン商品であったとしても、これができてしまえば
A銀行から借り入れをして、A銀行の借入中の住宅ローンに完済をする
ということを意味するので、全くA銀行にとっては意味がありません。
意味がないどころか、現在貸している金利よりも、低金利で融資することになってしまうので多くの方が同じ銀行で借り換えをし始めたら、銀行は大きな損をしてしまいます。
そのため、「同じ銀行内で住宅ローンの借り換えをする」というのはビジネスの構造上ほぼありえないことなのです。
仮に「同じ銀行内で住宅ローンの借り換えをする」がOKだったとしたら、住宅ローン借入中の方全員が金利が下がるたびに借り換えをしてしまって、銀行は破たんしてしまいます。
じゃあ、どうすれば良いのでしょうか?
「同じ銀行内で住宅ローンの借り換えをする」と同じような効果を持つ方法があります。
「借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉をする」です。
ちなみにこのときに「金利の引き下げはできないけど、同じ銀行の別の住宅ローンへ借り換えることができます。」と回答する銀行もあります。これは意味合い的に「同じ銀行内での借り換え」なのですが、別の住宅ローン商品なので諸費用が発生し、審査ももう一度行うことになるので、他の銀行へ借り換えるのと手間が同じです。本当にその銀行の別の住宅ローンがいちばん条件が良いのであれば構いませんが、他の銀行の住宅ローン商品ともフラットに比較して一番借り換えメリットの大きい住宅ローンを選ぶことをおすすめします。
借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉とは
銀行に「借り換えを予定しています。もし金利を借り換え先の銀行と同じぐらいまで引き下げてくれれば借り換えしないのですけど。」と金利引き下げの交渉をすることを意味します。
借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉が成功すれば
- 借り換えで発生する諸費用が発生しない
- 借り換えで発生する手間が発生しない
- 実際に金利は下がって、総返済額・利息・毎月の返済額が軽減する
というメリットが盛りだくさんなのです。
銀行にとっては、他の銀行に借り換えをされて融資額が減るというのは「利息収入の低下」を意味するので、できれば避けたいことなのです。
だからこそ、「借り換えするぞ」という武器を持って金利引き下げ交渉が成立するのです。
ただし、注意が必要なのは「どうぞどうぞ。」と言われてしまう可能性もあるということです。銀行の方針次第なのですが、このような金利引き下げに対応してしまう前例を作るとすべての顧客に同じ対応をしなければならないので、断固拒否するという姿勢の銀行もあるのです。
借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉は、成功すれば多くのメリットが得られるものですが、失敗した場合には実際に借り換えを実行しなければならないというデメリットもあるのです。
当然、借り換えは強制ではないので、しなくても構わないのですが「借り換えするぞ」といって交渉が失敗に終わってそのままにしていると、銀行担当者との関係値も良くないので、実際に借り換えをしてしまった方が良いのです。
借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉をする手順
1.借り換え先の銀行(住宅ローン)を決定する
金利引き下げ交渉に関しては「借り換えするぞ」といっても、具体性がなければ取り合ってもらえません。また、失敗した場合には実際に借り換えを行うことも念頭に入れておく必要があるので、実際に借り換えをしても良いという覚悟の上で、借り換え先の銀行(住宅ローン)を決定します。
借り換え先の決定は、借り換えメリットが大きくなる住宅ローンを基本に考えます。
注意事項
この段階では現在借入中の住宅ローンの銀行担当者には連絡は不要です。黙ってことをすすめましょう。
2.実際に事前審査を申込む
前述した通りで、金利引き下げ交渉を成功させるコツというのは、できるだけ具体的に借り換えの準備をすることを意味します。
「借り換えをするので金利を下げてください。」
よりも
「金利1.0%の○○銀行の住宅ローンで事前審査が通ったので、○月○日予定で借り換えを実行するつもりです。総返済額が○○円ほど軽減できる見込みです。御社の住宅ローンサービス自体に不満はないので金利を同レベルまで下げていただければ借り換えは実行しないのですが、ご相談は可能でしょうか?」
の方が、実現性が高いことは明らかです。
具体性を演出するのには、実際に申込後、事前審査通過まで持っていく必要があります。
事前審査まで通過していれば、万が一金利引き下げ交渉が失敗したとしても、スムーズに借り換えまで実行できるはずです。
具体性を演出するためには
- 借り換え先の銀行名、住宅ローン名
- 借り換えをする予定タイミング
- 借り換え先の住宅ローン金利と現在の金利
- 借り換えをすることによる返済額の軽減メリットがいくらになるのか?
を実際に確定させてから交渉することが重要になります。
3.現在借入中の銀行担当者に金利交渉を依頼する
「現在、住宅ローンの借り換えを検討しています。」
「金利1.0%の○○銀行の住宅ローンで事前審査が通ったので、○月○日予定で借り換えを実行するつもりです。総返済額が○○円ほど軽減できる見込みです。本申込の書類送付段階でまだ送っていない状態なのですが」
「御社の住宅ローンサービス自体に不満はないので金利を同レベルまで下げていただければ借り換えは実行しないのですが、ご相談は可能でしょうか?」
とあくまでも、質問スタイルで交渉の余地を探ってください。
銀行担当者といっても、人間ですので脅しのような交渉方法では成功率が下がってしまいます。
あくまでも、下から目線でお伺いを立てる形の交渉が好ましいです。
4.銀行担当者の回答
「当行ではお客様の希望の金利に引き下げることは致しかねます。」
→ 予定通りに借り換えを実行に移す(失敗)
「当行では特別なお客様ということで同じ金利まで引き下げます。」
→ 借り換えをしないで金利を引き下げてもらう(成功)
借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉の注意点
徐々に、金利引き下げ交渉をすること自体が浸透してしまっていて、銀行担当者も金利引き下げ交渉を受けることになれてしまっています。
本気度を見せなければ、失敗に終わるケースが多いのです。また、銀行のスタンスとして受け入れないというケースもあります。
そのため、金利引き下げ交渉が失敗に終わったとしても、実際に借り換えをするということを前提にしなければならないのです。
つまり、「借り換えを武器に住宅ローンの金利引下げ交渉」をするのであれば、「借り換えで返済額の削減メリットが出る」状態でなければならない。また、失敗したら実際に借り換えを実行に移さなければならない。
ということです。
- 現在の金利と金利差が少なくて諸費用を含めると借り換えメリットがでない。
- 他の銀行に借り換えをするのは絶対に嫌だ。
という方は、この方法はおすすめできないのです。
メリットとリスクを含めて比較検討したうえで、実行に移しましょう。