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2016年11月8日アメリカ合衆国大統領選挙本投票が行われドナルド・ジョン・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に当選しました。連日ニュースでも取り上げられているのですが、住宅ローンを検討中の方にとっては「トランプで住宅ローン金利はどうなるの?」ということではないでしょうか?トランプ大統領就任による住宅ローン金利への影響を解説します。
トランプ大統領就任で大方の予想を裏切り円安ドル高が進む
米ドル/円
11月8日:安値1ドル104.294円
11月9日:安値1ドル101.184円
11月28日:安値1ドル111.356円
トランプ大統領就任直後は「経済への影響が読み切れない」という不安感から円高が1日だけ急速に進行し、そこからトランプ氏の「減税やインフラ投資」への期待に切り替わり、急激な円安が発生したのです。11月28日ではやや円高に戻しているので、トランプ大統領就任の為替相場への影響は一服したと言えます。
日経平均
住宅ローン金利に影響する長期金利への影響
新発10年国債利回り/直近20営業日
新発10年国債利回り/直近1年
11月8日:-0.07%
11月25日:+0.03%
0.10%の上昇
となっています。
これはなぜかというと
トランプ大統領就任前は、海外投資家を中心にリスクオフ(安全な資産にお金を逃がしておくこと)が進んだため、安全な資産である「日本円」「日本国債」が買われていたのです。
- 買い手が多い → 金利が低下する
という関係ですから、長期金利(新発10年国債利回り)も低く抑えられていたのです。
しかし、トランプ大統領就任でリスクオフが解除されたこと、ドル高が進んだこと、その影響で日本株の株高が進んだこと・・・で投資家のマネーが国債から離れてしまう形になりました。
- 買い手が少ない → 金利が上昇する
という関係にあり、「0.10%の長期金利上昇」という結果になったのです。
12月金利にはこの国債金利の上昇幅0.10%が各銀行の住宅ローン金利に反映されることが予測されます。
住宅ローン金利への影響は軽微
それでも、円安の急激な進行と比較すれば長期金利の上昇の影響は非常に軽微になっています。
というのも、日銀の国債買い入れは金利ターゲットという形で継続されているので
- そもそも市場自体の流動性が失われていること
- 日銀の買入れがあるので、買い手が減る影響は少ない
- 金利ターゲットで0.0%~-0.10%に落ち着く
という要因があります。
住宅ローン検討者へのアドバイス
誤差の範囲と考えるべき
一時的に長期金利がマイナスからプラスに戻ったので、慌ててしまう方もいるかもしれませんが、直近20年というスパンで見た場合には、まだまだ低金利であることは間違えありません。
また、現状でこれ以上金利が上昇することは考えにくいので、トランプ大統領就任に左右されて住宅ローンを焦って決めたり、見送ったり、する必要はないのです。
ただし、このような外的要因によっても、住宅ローン金利が上昇するケースはあるということは頭に入れたうえで、変動金利にするのか?固定金利にするのか?も検討する必要があります。