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住宅ローン金利推移・今後の金利予想・業界レポートです。2016年1月の住宅ローン金利推移、今後の金利がどうなるのかの予測、不動産業界・住宅ローン業界の最新動向、住宅ローン選びに影響する経済ニュースなどをまとめてレポートしています。住宅ローンを比較検討する上での参考にしてください。
2016年1月の住宅ローン金利推移
平均金利推移
年月 | 変動金利 | 当初10年固定金利 | フラット35金利 |
---|---|---|---|
2014年12月 | 0.782% | 1.372% | 1.560% |
2015年1月 | 0.768% | 1.277% | 1.470% |
2015年2月 | 0.768% | 1.223% | 1.370% |
2015年3月 | 0.795% | 1.286% | 1.470% |
2015年4月 | 0.782% | 1.298% | 1.540% |
2015年5月 | 0.782% | 1.277% | 1.460% |
2015年6月 | 0.782% | 1.326% | 1.540% |
2015年7月 | 0.782% | 1.370% | 1.610% |
2015年8月 | 0.782% | 1.329% | 1.580% |
2015年9月 | 0.777% | 1.279% | 1.540% |
2015年10月 | 0.771% | 1.273% | 1.590% |
2015年11月 | 0.761% | 1.242% | 1.550% |
2015年12月 | 0.734% | 1.197% | 1.550% |
2016年1月 | 0.693% | 1.164% | 1.540% |
変動金利:0.693%
前月対比:-0.041%
前年同月対比:-0.092%
当初10年固定金利:1.164%
前月対比:-0.033%
前年同月対比:-0.095%
フラット35金利:1.540%
前月対比:-0.010%
前年同月対比:+0.070%
現状
2015年12月2日時点で終値: 0.320%でしたが、2015年12月29日時点で終値: 0.270%と低下した影響を受けて、全体的に金利は低下傾向にあります。また、大手都市銀行(メガバンク)が足並みをそろえて金利を引き下げたため、変動金利、当初10年固定金利ともに平均金利が低下した形で2016年はスタートしています。
今後の金利予想
国債金利が低下した背景には「米国の政策金利の利上げ」「2016年度の国債発行額の減少」「日銀の国債買い入れ観測」という需要増加材料があります。米国の政策金利が上昇したことで、米国債でドル調達をしていた機関投資家が日本国債に流れることや日銀の国債買い入れは続くのに対して、2016年度の国債発行額の減少があるため、需給バランスで需要の方が大きくなっていることが要因となっています。日本国債の需要が高まれば価格が上昇し、金利は低下するので2016年1月の国債金利は低金利でスタートしたのです。2016年も、国債金利は低い状態での住宅ローンの低金利競争という構図は変わらないことが予想されます。
2016年1月発表の物件価格推移(2015年11月の統計)
マンション価格平均
年月 | マンション | 戸建て |
---|---|---|
2014/9 | 2750万円 | 3236万円 |
2014/10 | 2812万円 | 3215万円 |
2014/11 | 2808万円 | 3226万円 |
2014/12 | 2847万円 | 3233万円 |
2015/1 | 2798万円 | 3363万円 |
2015/2 | 2926万円 | 3390万円 |
2015/3 | 2923万円 | 3259万円 |
2015/4 | 2828万円 | 3248万円 |
2015/5 | 2887万円 | 3305万円 |
2015/6 | 2914万円 | 3247万円 |
2015/7 | 2868万円 | 3217万円 |
2015/8 | 2832万円 | 3174万円 |
2015/9 | 2958万円 | 3402万円 |
2015/10 | 2948万円 | 3245万円 |
2015/11 | 2916万円 | 3131万円 |
マンション価格:2,916円
前月対比:-1.10%
前年同月対比:+3.70%
戸建て価格:3,131万円
前月対比:-3.64%
前年同月対比:-3.03%
現状
年末にかけて需要が減る時期であるため、マンション価格、戸建価格ともに低下しています。とくに戸建て価格は前年同月比で見ても、3.0%安くなっている状態になります。
今後の物件価格予想
旭化成建材の杭打ち問題などの影響次第では、強気の価格設定ができなくなり、10月、11月と年末に向けてやや価格が落ちることが予測されます。ただし、長期的に見ればオリンピックまでは不動産価格は緩やかに上昇することが予測されます。とくに中国人を中心とした外国人投資家の首都圏のマンションへの投資というのは活発化しており、戸建に対してマンション価格が割高な状態は続くと考えられています。今後は、消費税10%への増税の駆け込み需要の影響も出てくるため、駆け込み需要が起こる前の物件購入がおすすめです。
2016年1月の民間銀行最新ニュース
auじぶん銀行が自社商品として住宅ローンの提供開始
三菱UFJ銀行と「au」を運営するKDDIの合弁会社であるauじぶん銀行が自社商品としての住宅ローンの提供を開始しました。
特徴は
- 変動金利 0.585%という低金利
- がん診断時に住宅ローン残高が50%になる団信無料付帯
- ネットで契約まですべて完結(印紙代約2万円無料)
です。疾病保障付で変動金利がここまで安いのは大きなメリットと言えるでしょう。さらに印紙代が無料でネット完結で契約ができるため、諸費用も2万円(※印紙代は融資額によって異なります。)安くなります。
メガバンクが足並みをそろえて変動金利を低金利に
- 三菱UFJ銀行 0.975%~1.175% → 0.825%~1.075%(保証料込)
- 三井住友銀行 0.975%~1.175% → 0.825%~1.075%(保証料込)
- みずほ銀行 0.975%~1.275% → 0.825%~1.275%(保証料込)
と足並みをそろえて、変動金利の最優遇金利を0.825%へ引き下げました。ネット銀行への顧客流出が年々拡大していることに危機感を抱いての対応と考えられます。
2016年1月の住宅ローン関連ニュース
長期国債金利がさらに低下
2015年 12月 02日 終値: 0.320%
2015年 12月 29日 終値: 0.270%
国債金利は―0.05%低下しました。原因は米国の政策金利の引き上げによって、ドルを調達していた金融機関や企業が日本国債での円調達に切り替える動きがあること、政府の国債の買入れ観測が根強いこと、2016年の国債発行額が引き締められたこと、などが要因となっています。国債金利の低下は、住宅ローン金利全体の低下に影響しています。
新設住宅着工は2カ月ぶりの増加
2015年11月
新築住宅着工:7万9697戸(前年同月比:1.7%増)
持ち家:2万5310戸(前年同月比:3.5%増)
貸家:3万3505戸(前年同月比:2.6%増)
分譲住宅:2万0503戸(前年同月比:2.5%増)
2か月ぶりの増加です。全体的に微増という状態ですが、分譲住宅の内訳をみるとマンションが4.1%減のところを戸建分譲が8.2%増でカバーしていることが見て取れます。10月中旬に横浜市のマンション杭打ちデータ改ざん問題が発覚したため、この影響も少なからずあるのではないかと推測されます。今後も「マンションが減って、戸建が増える」傾向が強まる可能性が高いと考えられます。
2016年1月の住宅購入者へのアドバイス
住宅購入のタイミング:良い
国債金利が0.27%という過去最低水準の金利になっているため、住宅ローン金利も全体的に低下しているため、住宅ローンの購入タイミングとしてはこれ以上ないタイミングと言っていいでしょう。さらにメガバンクを中心に住宅ローンの金利低下競争も一段と激化しています。消費税が10%になる前に購入する方が経済的にもメリットが高いと言えます。
住宅ローン選びの注意点
1年、2年の短期的なスパンで見れば金利が上昇するというリスクは少ないはずです。日銀や政府の目論見通り物価上昇・賃金上昇とはいかない可能性が高いのです。これは今を見てもあきらかなことです。ただし、5年、10年というスパンで見た場合には、日本株の上昇、円安誘導などで企業の景気が良くなり、物価上昇、インフレ、賃金上昇になる可能性があります。インフレ・好景気になれば給料も上がりますが金利も上がるため、変動金利を選ぶ場合でも金利上昇時の対策は十分に考えておく必要があります。
米国が10年ぶりにゼロ金利政策を解除し、政策金利を引き上げましたが、これはアメリカが好景気になったため、政策金利を正常な状態に戻し、インフレを抑制する(バブルを防ぐ)ために金利を引き上げているのです。日本も1年、2年ではこうはなりませんが、5年、10年というスパンでは同じようにゼロ金利政策を解除する可能性もあるのです。住宅ローン金利は銀行の利益が薄利になっている状態ですので、これ以上は下がる可能性は少なく、いつかは上がるものと考えましょう。
ただし、そのタイミングを正確に当てるのは至難の業なので、変動金利を選ぶ場合には「上昇したときにどうするか?」の事前準備をあらかじめしておくことが重要なのです。一番有効な方法は変動金利で借りたとしても、繰り上げ返済でできるだけ早い段階で元本を減らしておくことです。