note128_128住宅ローン金利推移・今後の金利予想・業界レポートです。2015年12月の住宅ローン金利推移、今後の金利がどうなるのかの予測、不動産業界・住宅ローン業界の最新動向、住宅ローン選びに影響する経済ニュースなどをまとめてレポートしています。住宅ローンを比較検討する上での参考にしてください。

2015年12月の住宅ローン金利推移

平均金利推移

年月変動金利当初10年固定金利フラット35金利
2014年12月0.782%1.372%1.560%
2015年1月0.768%1.277%1.470%
2015年2月0.768%1.223%1.370%
2015年3月0.795%1.286%1.470%
2015年4月0.782%1.298%1.540%
2015年5月0.782%1.277%1.460%
2015年6月0.782%1.326%1.540%
2015年7月0.782%1.370%1.610%
2015年8月0.782%1.329%1.580%
2015年9月0.777%1.279%1.540%
2015年10月0.771%1.273%1.590%
2015年11月0.761%1.242%1.550%
2015年12月0.734%1.197%1.550%

変動金利:0.734%
前月対比:-0.030%
前年同月対比:-0.066%

当初10年固定金利:1.197%
前月対比:-0.045%
前年同月対比:-0.150%

フラット35金利:1.550%
前月対比:-0.000%
前年同月対比:-0.010%

現状

auじぶん銀行が新しい住宅ローンの提供を開始したこと、SBI新生銀行がキャンペーン金利-0.15%で変動金利、当初固定金利を引き下げたこと、が影響して変動金利平均、当初10年固定金利平均ともに前月対比で低下しています。一方で、長期国債金利はほぼ横ばいで推移したため、フラット35や他の銀行の金利はほぼ変わっていません。

今後の金利予想

日銀は10月30日に物価上昇目標2.0%の達成時期を2016年後半に先送りしました。これは日銀の金融緩和が物価上昇に対して有効に働いていないことを意味しています。さらに日銀審議委員の木内氏は「2017年度も物価2%上昇の目標は達成困難」と発言しています。結果として日銀は自分たちの金融政策が間違っていないことを明示するためには、金融緩和を続けざるを得ないと市場関係者は判断しているため、国債金利が上がらないのです。金融緩和の国債買い入れには日銀の資金体力という問題があるため、限界があるのですが、ここ1年、2年は同じような状態が続くことが予測されます。

2015年12月発表の物件価格推移(2015年10月の統計)

マンション価格平均

年月マンション戸建て
2014/92750万円3236万円
2014/102812万円3215万円
2014/112808万円3226万円
2014/122847万円3233万円
2015/12798万円3363万円
2015/22926万円3390万円
2015/32923万円3259万円
2015/42828万円3248万円
2015/52887万円3305万円
2015/62914万円3247万円
2015/72868万円3217万円
2015/82832万円3174万円
2015/92958万円3402万円
2015/102948万円3245万円

マンション価格:2,948万円
前月対比:-0.34%
前年同月対比:+4.61%

戸建て価格:3,245万円
前月対比:-4.84%
前年同月対比:+0.92%

現状

物件価格はマンションが微減、戸建てが減少という結果になっています。前年同月比では、戸建て価格はそれほど変わっていないものの、マンション価格の増加が顕著になっています。

今後の物件価格予想

旭化成建材の杭打ち問題などの影響次第では、強気の価格設定ができなくなり、10月、11月と年末に向けてやや価格が落ちることが予測されます。ただし、長期的に見ればオリンピックまでは不動産価格は緩やかに上昇することが予測されます。また、消費税10%への増税の駆け込み需要の影響も出てくるため、駆け込み需要が起こる前の物件購入がおすすめです。

2015年12月の民間銀行最新ニュース

auじぶん銀行が自社商品として住宅ローンの提供開始

三菱UFJ銀行と「au」を運営するKDDIの合弁会社であるauじぶん銀行が自社商品としての住宅ローンの提供を開始しました。

特徴は

  • 変動金利 0.585%という低金利
  • がん診断時に住宅ローン残高が50%になる団信無料付帯
  • ネットで契約まですべて完結(印紙代約2万円無料)

です。疾病保障付で変動金利がここまで安いのは大きなメリットと言えるでしょう。さらに印紙代が無料でネット完結で契約ができるため、諸費用も2万円(※印紙代は融資額によって異なります。)安くなります。

auじぶん銀行住宅ローン

SBI新生銀行がキャンペーンで金利をさらに引き下げ

SBI新生銀行 2015年12月時点 変動金利

0.880% → 0.680%

さらに12月のキャンペーンで-0.15%に設定したため

0.680% → 0.530%

という低金利になっています。

SBI新生銀行住宅ローン

2015年12月の住宅ローン関連ニュース

長期国債金利は横ばい

2015年 12月 02日  終値: 0.320%
2015年 10月 30日  終値: 0.300%
2015年 10月 01日  終値: 0.320%

と前年同月比で見ても、前月対比で見ても、国債金利の低下が進んでいる状態です。11月は国債金利の変動材料がなかったため、ほぼ横ばいで推移しています。大きな材料もなく、国債買い入れも抑えめに実行されているため、金利が動きませんでした。各銀行の住宅ローン金利も、国債金利の横ばいを受けて、ほぼ変わっていない状態です。

新設住宅着工は8カ月ぶりの減少

2015年10月

新築住宅着工:7万7153戸(前年同月比:2.5%減)

持ち家:2万4830戸(前年同月比:2.4%増)
貸家:3万2757戸(前年同月比:2.6%減)
分譲住宅:1万8838戸(前年同月比:9.5%減)

8か月ぶりに減少しています。中でも減少幅が大きいのは、分譲住宅で、その中でもマンションが前年同月比で17.2%減と大きく減少しています。10月中旬に横浜市のマンション杭打ちデータ改ざん問題が発覚したため、この影響も少なからずあるのではないかと推測されます。

2015年12月の住宅購入者へのアドバイス

住宅購入のタイミング:良い

国債金利が0.32%という過去最低水準の金利になっているため、住宅ローン金利も全体的に低下しているため、住宅ローンの購入タイミングとしてはこれ以上ないタイミングと言っていいでしょう。auじぶん銀行やSBI新生銀行の動きを見ても、積極的に顧客獲得に乗り出していることは間違えありません。2017年に控えた10%の消費増税のギリギリのタイミングでの住宅購入になってしまうと、駆け込み需要でまた不動産価格が跳ね上がってしまうので今のうちに決める方が物件価格、金利ともに有利になるでしょう。

住宅ローン選びの注意点

1年、2年の短期的なスパンで見れば金利が上昇するというリスクは少ないはずです。日銀や政府の目論見通り物価上昇・賃金上昇とはいかない可能性が高いのです。これは今を見てもあきらかなことです。ただし、5年、10年というスパンで見た場合には、日本株の上昇、円安誘導などで企業の景気が良くなり、物価上昇、インフレ、賃金上昇になる可能性があります。インフレ・好景気になれば給料も上がりますが金利も上がるため、変動金利を選ぶ場合でも金利上昇時の対策は十分に考えておく必要があります。

ただし、日銀が金融緩和による物価目標の達成時期を先送りする、消費者物価指数が前年同月比で下がっているなど、実際にインフレが実現するのか?どうか?には不透明な部分も増えてきています。さらに消費増税でこれ以上に景気が冷え込む可能性すらあるのです。住宅ローン金利は銀行の利益が薄利になっている状態で、これ以上は下がらないので、いつかは上がるものと考えましょう。ただし、そのタイミングを正確に当てるのは至難の業なので、変動金利を選ぶ場合には「上昇したときにどうするか?」の準備をあらかじめしておくことが重要なのです。